統一地方選まで1年。田原総一朗・堺屋太一・竹中平蔵の“5・26結党大会”は政界再編のキッカケになるか

2014年05月24日 00:01

140523万年野党 結党大会イメージ

田原総一朗氏、堺屋太一氏、竹中平蔵氏といった方々などが、来週5月26日に “結党”大会を開く。この結党大会には、みんなの党の浅尾慶一郎 代表、結いの党の江田憲司 代表、自民党からも塩崎恭久 元官房長官15名以上の国会議員が参加するという。

こうした動きも含め、あと1年を切った統一地方選挙を焦点に、新党や政界再編の動きなどについて考えてみたい。

統一地方選挙まであと1年を切った。新たな政党の誕生はあるのか

4年に1度、全国の自治体の首長および議員の選挙が一斉に行われる統一地方選挙が、来年4月に迫り、残り1年となった。

多くの方々にとっては、「誰がやったって」といったところか、「政治不信」で「政治離れ」が進んでいると言われる中、さらに、そもそも地方自治に関心が薄い事を考えれば、「自分たちには関係ない事」と考える人も多いのかもしれない。

しかし、政党関係者、これを機に政治家になろうとしている者たち、とくに現職や落選中の政治家に取っては、この時期からの政治状況は、非常に重要な問題になる。

前回の2011年統一地方選挙においては、44の道府県議会議員選挙や13の知事選挙など、1,797選挙の約58.0%にあたる1,042選挙が実施された。

図表1: 統一地方選の年の新興政党の地方政治家(知事・市区町村長・地方議員)の数の推移
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地方政治家(知事・市区町村長・地方議員)の数の推移を振り返って見ると、2003年に約1,000人だった民主党の地方政治家は、次の統一地方選のあった2007年の年末には、約1,400人、次の2011年には約1,500人と増えている事が分かる。

前回の統一地方選挙のあった2011年と言えば、東日本大震災の年であり、その年の9月までが菅政権、9月以降が野田政権という時期であり、こうしたデータを見ると、震災直後の統一地方選挙では、民主党議員は前回の統一地方選挙時よりも約100人も議員を増やしている様に見える。

2009年に結党したみんなの党は、2011年が初めての統一地方選挙になり、300人弱の地方議員を誕生させている。

意外に思う方もいるかもしれないが、日本維新の会にとっては、2012年に結党したため、2015年が初めての統一地方選挙になる。

図表2: 政党公認地方政治家(知事・市区町村長・地方議員)の数の推移
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地方選挙の場合、国政選挙の様にドラスティックに新たな政党の議員が増えるという機会は少ないが、ただ、それだけに、逆に政党の地方組織をつくる事は難しく、政党に取っては、党の基盤を作っていくというためにも、この統一地方選挙が4年に1度しかない貴重な機会になる。

衆議院の解散もなく、「2016年の参議院選挙の際に衆参同日選挙」などとも言われている中では、2013年の参議院選挙から3年間、大きな国政選挙がない可能性がある。

その意味では、2014年の統一地方選挙は、国政の前哨戦、中間選挙といった側面もあり、とくに新興政党や新たな政党を立ち上げるために、非常に重要な役割を果たす。

安倍政権誕生が2012年12月だが、データのある2003年から減り続けていた自民党公認の地方政治家(知事・市区町村長・地方議員)の数が、2013年で初めて微増している。政権交代後初の統一地方選挙である事も、今回の統一地方選挙の見所だと思う。

地方政治家の数は10年間で約半数に

平成の大合併によって、1999年から2006年の間に、自治体の数は約3,000から約1,800に激減した。2003年時点との比較でも、約62,000人以上いた地方政治家の数は、この平成の大合併と時期を同じくして約2/3に、さらにその後も定数削減の流れの中で、約36,000人まで大きく減っている。

図表3: 地方政治家(知事・市区町村長・地方議員)総数の推移
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図表4: 地方政治家(知事・市区町村長・地方議員)の所属党派別人数の推移
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しかし、図表3と図表4を見比べてみると、総数の減少の推移と、無所属議員の減少の推移のグラフは、極めて似た形をしており、こうした地方政治家の数の減少の多くは、実際には、圧倒的多数だった無所属の議員数の減少とほぼ重なっており、政党の議員数にはほとんど影響していない事が分かる。

逆に言えば、「地方政治といえば無所属」という常識が少し変わりつつあり、政党の公認を取る議員の割合が増えてきているとも言える。

その意味でも、当落がボーダーラインの議員や、まだまだ新規参入が難しい地方政治の現場の中で新たに参入しようという新人たちにとっては、この政党の公認をどう取ろうかという事も重要な役割を持つ様になっているとも言える。

こうした中、新興政党が結党されると、国会議員が増えて行くのに伴って、その勢いにのって当選しようという地方政治家も増える。

図表5: 新興政党の地方政治家(知事・市区町村長・地方議員)の数の推移
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2003年からのデータになるが、冒頭でも書いた様に、統一地方選後の2003年に約1,000人になった民主党は、統一地方選の間でも微増し、統一地方選のあった2007年に一気に1.5倍近い約1,400人に増えている。統一地方選挙時の比較では2011年で増えている様に見えたが、実は、こうして各年の比較で見ると、100人程度増えているのは2009年で、民主党はこの年に政権交代を行っており、これに便乗してという地方政治家が多かった事が見える。民主党の場合、実施には統一地方選挙のあった2011年には、前年より50人程度の減となっている。民主党は、その後も地方政治家の数は減少を続けており、2012年の小沢氏らの離党など影響も大きく、ピーク時から既に200人以上が減少している。

2009年に結党したみんなの党は、2011年に初めての統一地方選挙を迎え、一気に300人弱の地方議員を誕生させている。

このみんなの党の例や、日本維新の会を見ても統一地方選挙の間に新たな政党が出来ても、その間に地方議員が一気に増える事はあまりない。

この背景には、もちろん新しい政党が新人議員を大量の選挙に擁立するという事もあるが、同時に既存の政治家達が、選挙に勝つために、このタイミングで政党の公認を取り、政党を移るという事もあるからだ。

有権者の皆さんには、なかなか関心の湧かなかった地方政治ではあるが、冒頭に書いた様に、政党関係者、今後政治家になろうとしている者たち、とくに現職や落選中の政治家に取って、この時期の政治状況が非常に重要な事が分かるのではないかと思う。

田原総一朗・堺屋太一・竹中平蔵の“5・26結党”は政界再編の新たなキッカケになるか

この時期に合わせた様に、維新の会と結いの党の合併話が報道されている。

とくに、これまで新興政党への追い風だけで当選してきた現職の政治家や、選挙で当落のボーダーラインにいる政治家たちからすれば、喉から手が出るほど求めている「新しい受け皿」。

しかし一方で、政治不信と言われる有権者にとって、郵政選挙に沸いた小泉政権の自民党や、政権交代時の民主党の様に、多くの国民の支持を得る様な「受け皿」が、既存の政治家の組み合わせによって生まれるかと言えば、難しいのではないかとも思う。

こうした中、来週5月26日に、田原総一朗氏・堺屋太一氏・竹中平蔵氏らで“結党大会”を開く。

これ自体は、新たな政党の結党という訳ではなく、「万年野党」というNPO法人の結党大会であり、「政策NPO」として、政府や国会などの政策監視や、国会議員の監視、政策提言などを行うというものだが、むしろ政治家ではないこうした大物達が、政治に近い場でこうした活動を始めるという事は、単に、政治家の組み合わせによる新たな政党の誕生以上に、大きな可能性を感じる。

5月26日のこの“結党大会”には、ジャーナリストの田原総一朗氏、作家の堺屋太一氏、慶応大学の竹中平蔵氏の他にも、宮内義彦(オリックス会長・グループCEO)、磯山友幸(経済ジャーナリスト)、岡田彰(拓殖大学院教授)、橘川幸夫(デジタルメディア研究所所長)、髙橋洋一(嘉悦大学教授)高橋亮平(中央大学特任准教授)、野村修也(中央大学法科大学院教授・弁護士)、原英史(政策工房代表取締役)、八代尚宏(国際基督教大学客員教授)、湯元健治(日本総研副理事長)、ロバート・フェルドマン(モルガン・スタンレーMUFG証券㈱・チーフエコノミスト)といった面々に、「ワカモノ・マニフェスト」を共に立ち上げた人事コンサルタントの城繁幸(株式会社Joe’s Labo代表取締役)、小黒一正(法政大学経済学部准教授)も参加する事になった。

国会議員も政党を超え、自民党から塩崎恭久・平将明 両代議士、みんなの党の浅尾慶一郎 代表、結いの党の江田憲司 代表、柿沢未途 代議士など、多くの国会議員も参加する。

現状の政治に不満を持ちながら、一方でこの国とその将来を何とかしなければならないと思っている方々は、数多くいる様に思う。

政治現場で活躍されている方も、また、これまでは政治現場に関わって来なかった方々も含め、これから5年・10年といったスパンや、さらに長いスパンでのこの国のあり方を考える機会にも、是非、こうしたイベントに参加してみてはどうだろうか。

NPO法人 万年野党 “結党”大会

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