我々はなぜ人のセックスが気になるか

アゴラ編集部

中学の頃、保健体育の教師などから「エロ画像ばかり見てるとバカになるぞ」と脅かされたことあります。この亜流には「マンガばかりみてると」とか「マスばかりかいてると」とかいろいろある。どうも我々人間の社会の心理的背景には、快楽に溺れると人は不幸になる、という禁欲的思考があるようで、青少年の欲望を制限することに血道を上げる大人も多いわけです。


動物行動学から懐疑的に議論されてもいるロビン・ベイカーの奇著『精子戦争』によれば、特に青年期の男性同士が他人の性的行動を揶揄したり批難したりする理由は、相手の性交渉の機会を逸しさせ、自分の精子再生産のサイクルを糊塗し、より授精しやすいタイミングを調整するためだそうです。オス主導の性淘汰には誤解や批判もあるんだが、互いに牽制し合う、という生態はオスである当方もなんとなく理解できます。映画にもなった山崎ナオコーラの小説『人のセックスを笑うな』は、内容はともかく性に関する他者からの興味、というものがタイトルに紛れ込まされている。

我々は他人のセックスによほど関心があるようで、AVやエロにみられるように男性がなぜあれほど他人のセックスを見たがるのか不思議です。ロビン・ベイカーによれば、これも「精子戦争」の所以というわけなんだが、確かに他人の方法ばかりマネする「頭でっかち」な男性も多い。ただ、リリー・フランキーによると、男性が年齢を重ねれば「オカズいらず」になる、そうです。

表題の記事では、ドイツの研究者が「ポルノを見ると脳のサイズが縮小する」と警告を発している、と書いています。どうも右脳の「線条体(せんじょうたい)」が小さくなるらしい。ここは大脳新皮質からの性的興奮やドーパミンが入力される部位として知られ、ご多分に漏れず、その機能はあまりよくわかっていません。ただ、ポルノ視聴と線条体の縮小の因果関係は不明。ありがちな研究の一つなんだが、こうした研究が現れては消えていく背景には、前述したような理由があるんでしょうか。

RT
Viewing too much porn might be connected to lesser gray matter in brain – study


UAE says to launch new contracts for domestic workers
arabian Business.com
中東の湾岸地域はオイルマネーを背景にして、外国人労働者を積極的に移入させています。人口の過半数が外国人、という国も少なくない。「美しい国」ニッポンも遠からずそうなるんでしょうか。都合のいい「人材」だけ入れたがっていても、むしろ逆に「ペルソナノングラータ」な貧民が家族総出でやってきて日本のインフラを食いつぶすんでしょうか。中東諸国の外国人労働者の労働環境や人種差別といった人権問題は、国際的に非難されるようになっている。この記事ではUEAが外国人労働者の待遇改善に一歩だけ踏み込むかもしれない、と書いています。

Supermarket wines worth a splash
the guardian
当方はあまり好まないんだが、当方の家人がシュワシュワしたワインが好きで、よくテーブルワインに飲んでます。わりに安い物も出回ってるので当方の家計でもようやっと可能です。とはいえ、しょせんはブドウの果実酒で甘い。日本のしょっぱ辛い味付けには合いませんね。この記事では、量販店オリジナルブランドの安価なワインについて書いている。値段は2000円前後。高いシャンパンは6000円くらい。6000円のシャンパンをテーブルワインみたいに開けるのは何かの記念日でしょう。この記事でもクレージーな値段だと書いているんだが、それが半額くらいの安さになっているらしい。英国の庶民もワインを飲むようになったんですね。

幻の新幹線計画
ビーカイブ
整備新幹線が南北にどんどん伸びています。このままだと、札幌から鹿児島まで新幹線に乗ってノンストップで行けるようになるんでしょうか。軌条や電圧の違いなど、技術的に克服すればなんとかなりそうです。しかし、この記事を読むと、首都圏の用地取得はもう難しそうです。

ハイパーラプス動画で見るシンガポールは「ブレードランナー」
GIZMODO 日本版
こうした街には住みたくないですね。さすが「富裕層」の逃避地シンガポール。人の温かみなどカケラもない世界です。ハイパーラプスってのは、カメラを少しずつ移動しながら撮影した画像をつなげ、アニメのような動画にしたものらしい。たぶん定点の微速度撮影も混ぜているんだろうが、それを考えてもこれは膨大な作業です。


アゴラ編集部:石田 雅彦