還ってきたホタルたち

アゴラ編集部

熊本県の北東部に位置する菊池市では、家畜伝染病の予防の観点から恒例の「ホタルフェスタ」を今年は中止するようです。これは残念な話なんだが、下水道の完備や生活排水の浄化、環境保護の意識の高まりなどの成果が出て全国各地でホタルが戻ってきた、というニュースが目を惹きます。

埼玉県の熊谷市でもゲンジボタルが戻ってきた、と報じられ、都心でも新宿区下落合の「おとめ山公園」などでホタルが自然発生しています。また、文京区のホテル椿山荘東京では庭園内にホタルが現れ、同ホテルの夏の名物にもなっています。


ところで、ホタルくらい不思議な生態の昆虫も珍しいでしょう。成虫はほとんど餌をとらず、腹部を光らせて一生を終えますが、幼虫はどう猛でほかの生物を捕食して大きくなります。

日本の代表的なホタルは、ゲンジボタルとヘイケボタルで、これらの幼虫は水の中で暮らしているんだが、カワニナやタニシなどの淡水性の巻き貝を食べています。幼虫が水棲のホタル類は少なく、ほとんどが陸上で大きくなります。その場合、カタツムリやミミズなどを捕らえ、消化液を注ぎ込んで身を液状にして吸いこみます。

幼虫も光ることが多く、成虫で光るものは全て幼虫でも光り、これを「草蛍(くさぼたる)」といいます。ホタルの発光の仕組みは、ルシフェラーゼという光る酵素とルシフェリン、そして我々人間ももっているアデノシン三リン酸の反応です。これは非常に効率のいい発光システムで、エネルギー効率でいうと約98%が光になります。人工的な光源と比べてみると、白熱電球の効率は5~10%。蛍光灯では性能のいいものでも約40%に過ぎません。

ルシフェラーゼ酵素を使うと、ばい菌による食器や食品などの汚染度を調べることができ、以前はホタルからしかルシフェラーゼがとれないため、たくさんのホタルが犠牲になっていました。一グラムのルシフェラーゼを抽出するには約十万匹のホタルが必要だったんだが、最近では遺伝子操作によるバイオテクノロジーにより、このルシフェラーゼの大量生産に成功し、ホタルを利用しなくてもよくなっています。

徒然随想録
東京のホタル


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The First Vertebrate Sexual Organs Evolved as an Extra Pair of Legs
livescience
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アゴラ編集部:石田 雅彦