ここがヘンだよ小学校英語 --- 中沢 良平

2014年06月23日 14:30

4月の奉職以来、教員生活もはや3ヶ月が過ぎようとしている。この頃になると、小学校の学級はだいたい固まってくるようだ。安定しているか、崩壊しているか、である。以前ほど学級崩壊も話題にならなくなったが、それは減っているわけではなく、珍しいものではなくなったからだろう。そういった現状は、またの機会にお伝えしようと思う。


今回は、英語教育(外国語活動)について、現場の状況をお伝えしたい。個人的には小学校から英語教育はやるべきだと思っているのだが、現状を見ているととても悲しくなってくるのである。幼児期は英語より母語が大事だとか、そういう高尚な話ではないので、悪しからず。

現在は小学校でも、5・6年生で週1コマは必修、自治体によっては1年生から実施している。私が勤めるY市も、教育委員会の熱意で1年生から実施している。

カリキュラムは学校の手作りである。しかも忙しい中手探りで作られているため、1年生でも6年生でも歌ったり、踊ったり、ゲームをしたりで系統性があんまり、ない。だから、思春期の高学年がハローソングを歌わされたり、あまりにも簡単な日常会話などをロールプレイさせられているのを見ると、英語嫌いを助長しないかと心配になってくるのである。(逆に小学校の頃はゲームばっかりやってたから楽しかった、中学はいろいろ覚えなくちゃならないからヤダ、という子どももいる。)

おまけにヘンな自主規制が働き、児童の負担にならないようにと、ライティングやリーディングは禁じられている。(これは本当に自主規制で、指導主事に根拠を聞いても困った顔をするだけであった。別に日教組の陰謀ではないと思う。)オーラル信仰とゆとり教育の結婚ここに極まれり、であろうか。

さいきんは小中連携ということで、中学校の先生と懇談することも多い。アルファベットとローマ字くらい書けるようにしてから中学校に送ってほしいと言われて、よし、じゃぁ練習させるかと思うのだが、管理職や他の教員から、「学習指導要領のどこにのっているんだ、そんな恐ろしい、余計なことはするな」とたしなめられるのである。(国語にもアルファベットという単元はなく、4年生で3コマくらいローマ字の時間があるくらいなのを指している。ちなみに小学校教員は、学習指導要領に書いてないことを教えることは、遵法上相当の抵抗がある。)

AET(アシスタント・イングリッシュ・ティーチャー)の先生も授業にいるのだが、彼らの多くは英語が母語なだけで、日本語も話せないことも多く、べつに教職経験があるわけではないので、外国語活動時、一時的に無法地帯になっている学級もある。(教員は、読者のみなさんが思われているよりは、集団を統制する技能が必要とされるのです。)また、経費の関係上、派遣会社との請負契約によって派遣されてくるので、コンプライアンス上派遣会社にしか指示を出せない。そのため、AETにその場で指示や提案ができないと言う状況になっているのである。もちろん、まれに日本語も流暢で、びっくりするくらい優秀なAETがくる場合もあるが、それはたんなる人事のめぐりあわせである。

小学校英語を考えるとき、英語学習の必要性と、実際の小学校英語の現場での残念さとを、分けて考えなくてはならないと思う初任3ヶ月目の今日この頃である。

中沢 良平
小学校教諭

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