高齢者のコミュニティを作ろう! --- 岡本 裕明

2014年06月28日 10:33

世界一のペースで高齢化が進む日本が高齢化対策の先例として満足度を上げていくにはどうしたらよいのでしょうか? 高齢者の幸福度を上げることは日本全体の幸福度にもつながっていくともいえるでしょう。老後の生活に様々な不安を抱えた人たちがあまりにも多いことに高齢者予備軍の我々世代も本当に構えてしまいます。出来れば高齢者になりたくない、と。

高齢者の不安とは何でしょうか?


生活費を含めた金銭問題
自分の健康が維持出来なくなった時、誰に面倒見てもらうかという不安
身体が十分に動かなくなり、食欲も進まず、毎日テレビの前でごろごろしている自分の生きがいへの疑問
自分の子供たちや身内とのコミュニケーションの欠如

などなどいろいろ考えられると思います。

多分、このブログの読者を含めネットを見たり出来る「活動派」の方々は何ら心配ありません。自己解決能力を十分持っていると思います。一方でパソコンは使えず、お金はなく(あるいはあっても使えない)、近所づきあいもない人は案外多いものです。そして時々報道される老人の孤独死は正にその極限の姿であるともいえるのです。

外国にいる日本人がどう暮らしているのか、一概には言えませんが、私は参加型コミュニティーに何らかの形で加わっている人が多いとみています。もともと海外に住む日本人は移住した段階で右も左もわからず誰かに頼らざるを得なかった歴史があります(私もそうです)。それこそ、バンクーバーには今や日本ではあまり好まれない「隣組」という名のコミュニティも今だ健在でありますし、往々にして助け合いが発達していると思います。

それは限られた日本人が肩を寄せ合い頑張って生きていくための手段でもありますが、逆にメンタル面では大変プラスになっています。

日本で長年サラリーマンをして一定のポジションまで上り詰めた某氏はカナダに移住した時、自分が過去の栄光にすがっていることに気がつきませんでした。過去の自慢話は立派ですが、今を生きている人々にとって今日から始まる未来は皆平等だということにしばし気がつきませんでした。

時が経つうちに話を聞いてくれていた人が少しずつ離れていき、いわゆる孤独になりかけました。その時、あるきっかけで当地の活発に活動する老人会に入会したのです。そこでいろいろなイベントに参加するようになってからこの方の表情は大きく変わっていきました。それまでのよぼよぼ歩きが何気にシャキッと歩いているように見えるのです。そしてそれ以上に表情が豊かになりました。今日は「ハイキングに行くんだ。子供の時以来だよ」という笑顔はとてもすがすがしいものでした。

高齢者になればなるほど孤独になるのは自分の殻に閉じこもりやすいからなのですが、その理由は「外に出れば金がかかる」といった端から変化を受け入れないこともありそうです。ただ、お金がかからないコミュニティもあります。それより10人、20人といろいろな人に囲まれていれば気の合う人もできるでしょう。異性がいればそれこそ余計元気になるものです。

日本人は所属意識が高いと言われますが所属していることで声をかけてもらえるチャンスは大きくなります。会のイベントに参加していなくても会の名簿に名前があるだけで存在を認められていると思うでしょう。これはこれでよいことですが、私は一歩踏み出して参加してみるというのも大事だと思います。

私が関与しているカナダ人の高齢者向け住宅。111戸の住民は自分たちがどうやったら快適に過ごせるか井戸端会議が絶えません。例えば7階建てのこの建物ではフロアマーシャルと称する持ち回りの係りが夜警をしたり同じフロアの住民の状態を認識したり(=声掛け運動)、共同イベント、それこそ夏のBBQとか園芸など盛んに行われています。ですのでこの高齢者向け住宅の人々の表情は本当に明るいのです。

ではどういうコミュニティーを作ったらよいか、ですが、日本人の性格からすれば大きなものではなく身近で自分を認識してもらえるような10人とか20人程度の小規模な組織の方がワークすると思います。100人を超えると活動がより組織化し、硬直化する上にメンバーに目が行き届かなくなくなるのです。小さな組織がほかの小さな組織とネットワークし、それが究極的には大きな組織体として情報交換をするような体系が日本の社会にはふさわしい気がいたします。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2014年6月28日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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