バロンズ誌:Fedの壮大な実験、フォワード・ガイダンスの功罪 --- 安田 佐和子

2014年07月07日 09:38

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バロンズ誌、今週の特集はターゲットデート・ファンドです。定年退職の時期など目標を設定した投資信託を指し、年限に向け着実に資産を増やせるよう運用当初は株式などハイリスクハイリターンの投資を中心に据える半面、年限が近づくにあたり安定運用へ切り替わる運用方法。運用資産は、2008年の1600億ドルから足元は6706億ドルと4倍に達し、全米で大人気商品経成長しています。

当サイトが定点観測するアップ・アンド・ダウン・ウォールストリートの内容は、以下の通り。

AP通信は、米企業決算ニュース配信を記者による執筆から人口知能(AI)に切り替えると発表した。AP通信は決算ニュースのAIで配信による人員削減を実施しない。コスト削減と精度向上の利点に加え、記者は決算内容の数字の奥に迫る記事に専念できる。

機械の作業によって人間から反応が得られるという意味で、フェイスブックが利用者に無断で行ったことは操作=manupulationに相当するといえよう。フェイスブックは2012—13年にかけ、約70万人のユーザーのニュースフィードを操作しその後の投稿でポジティブ・ネガティブな影響が及ぶか心象実験を断行。ユーザーから猛反発反を受けたのは言うまでもない。

米連邦準備制度理事会(FRB)が採用するフォワード・ガイダンスもある意味、壮大な心象実験といっても過言ではない。将来の金融政策への意図をマーケットに伝え、望み通りの成果を得ようとしているのだから。同時にフォワード・ガイダンスの影響で緩和的政策が続くとの認識を与え、ダウ平均は3日に史上初の1万7000ドルを超えて引け。米10年債利回りも低位安定中である。

7月3日、独立記念日恒例のメイシーズ花火大会直前とあってクロージング・ベルは大台突破にふさわしい。
Wall Street
(出所 : The Columbus Dispatch)

ただし国際決済銀行(BIS)は先週に公表した年次レポートで、金融市場が「ユーフォリア」にあると警告。資産価格は高騰し続けるあまり2007—08年以来のバブル崩壊につながるリスクを喚起した。また相場上昇が「後期にある市場では、打つ手を引き延ばし一段と大きな急落を引き起こす前に早期に下方向の流れを促すべき」と主張する。

対してイエレンFRB議長は2日、市場安定を目指す金融引き締めに否定的な見解を表明。米6月雇用統計は好結果だったが、Fedは強い経済指標に反応し利上げを前倒しすべきなのか。雇用統計では確かに失業率が低下したものの、労働参加率や賃金を始めまだ質的な改善は進んでいない。Fedが利上げに踏み切った場合、株式相場もつれて上昇できるかは投資家が抱く疑問だろう。

——相変わらずこちらのコラムは慎重です。

ストリート・ワイズは引き続き、強気モードでした。好成績を叩き出したエネルギ—銘柄の快進撃は、まだまだ続くと予想しています。

地政学的リスクや経済回復を除く理由としては、

1)エネルギー大手の原油価格予想は93ドルのところ現在は104ドル、業績と株価に上昇余地
2)エネルギー関連の4-6月期は1株当たり利益伸び率10%増となる見通し、前期の3%減から大幅回復へ
3)6月末時点でエネルギー銘柄のPERは15倍、S&P500構成銘柄の平均16.2倍以下
4)アクティブ・ポートフォリオ・マネージャーの保有高は年初来で26%、ベンチマーク以下
5)エクソンは豊富なキャッシュフローで年間配当が可能に、シェブロンの株主資本利益率(ROE)は13%へ

今週はアルコアを皮切りに決算シーズンも始まりますが、エネルギー関連はさらに火が点く勢いとなるのでしょうか。

(カバー写真 : Business Insider)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年7月6日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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