バロンズ誌:FOMCと雇用統計前、注目点は? --- 安田 佐和子

2014年07月28日 09:44

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バロンズ誌、今週はウェラブル戦争をテーマにしております。スマートウォッチからフィットネス・バンド、グーグルやアップル、ナイキやアディダス、スタートアップ企業を巻き込みしのぎを削ること必至の主戦場。今後は日本でもシェア争いの熾烈な闘いが繰り広げられるのでしょう。

個人的には、オレンジ色のバンド、Jawboneならつけてもよいかなぁと。
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(出所 : バロンズ誌)

当サイトが定点観測しているアップ・アンド・ダウン・ウォールストリートでは、米連邦公開市場委員会(FOMC)と雇用がテーマです。

2014年に世界一の富豪、カルロス・スリム氏はパラグアイで開催されたビジネス会合で、労働改革を訴えました。同氏いわく、最も効率の良い勤務体制こそ「1週間のうち3日、11時間」だといいます。

現時点で米国の労働市場は、スリム氏の主張を意図せずに実行しているといえるでしょう。米6月雇用統計を見れば明白の事実です。パートタイム労働者が増加し、フルタイム労働者は減少していました。全米の労働力に対し18%に当たる2801万人が、労働時間が1時間から34時間以下のパートタイムとして働くことを余儀なくされています。

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる米連邦公開市場委員会(FOMC)をはじめ、市場参加者が抱く疑問は「労働市場のたるみ」。パートタイム労働者の増加と同時進行で米新規失業保険申請件数がリーマン・ショック以前の低水準を遂げ、失業率も6.1%まで低下するなか、米7月雇用統計で最も重要視すべき点は何か。

バロンズ誌は、イエレン議長が実質賃金の上昇を確認するまで利上げを控える示唆を与えた発言に注目。賃金こそが、労働市場のひっ迫を裏打ちするインディケーターと論じています。労働市場にひっ迫がみられるまでは、スリム氏のいう「3日労働、11時間勤務」のうち3日勤務体制は続きそうです。

ストリートワイズは、ヘッジファンドがテーマ。米国で話題の「ビル・アックマンVS栄養補助食品メーカーのハーバライフ」を例に挙げております。

パーシング・スクエアの創業者であり物言う投資家で知られるアックマン氏は先日、ハーバライフの経営手法がねずみ講だと批判するだけでなく、エンロン級の不正を暴くと大胆に予告しました。ところが、ハーバライフはアックマン氏が攻撃を開始した2012年12月から、実に89%も急伸しているんですよね。ハーバライフにショート戦略で挑むパーシング・スクエアのこれまでの損失は、最大7000万ドルと試算されています。

ヘッジファンドは今年、6年連続でS&P500を下回る成績に終わる見通しとされており、全米最大の年金基金、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)がヘッジファンド投資を40%削減し30億ドルに設定したと報じられました。ヘッジファンドが高い手数料に見合わないリターンを上げる程度なら、「基本に立ち返る」戦略を選択するのは当然でしょう。利益追求集団こそ、ヘッジファンドですから。ハーバライフにロング・ポジションを取ったカール・アイカーン氏やダニエル・ローブ氏と激突しながら、事業の正当性に立ち向かうアックマン氏のような存在は稀ですよ。

(カバー写真 : squirrel83)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年7月26日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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