3万円の仮想通貨を、50万円で売り出す事案を観測

大石 哲之


今回の件はズバリ書こうか迷いましたが、やはりこれは社会通念上もよろしくないということで、やまもといちろうさん風に書かせていただきます。

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今回の事案は、インターナショナルサイエンティフィックという会社の事案であります。ウェブをみればわかりますように、重水素減少水や、スーパーライトウォーターといった商品も扱われていらっしゃいます。仮想通貨は新しい取扱商品のようでございます。

ステラという仮想通貨がございます。これは、rippleの創業者の一部がスピンアウトして作られた新しい決済システムでございまして、STRという単位の通貨が流通しています。

価格は、Crypto-Currency Marketによりますと、市場価格は、1 STR = 0.002896 ドルとなっております。

無題

 日本円に直すと、30銭足らず、1円もしないものであります。

さて、事案のサイトで、これがいくらで売られておりますかというと、

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「ステラ創設記念セット」は、10万ステラで、50万円です。50万円。 10万ステラは、さきほども言いましたように、0.3円 * 10万ステラ = 3万円の市価です。 それが、50万円で販売されております。

もちろん、私も大人でございますから、商売は原価がいくらだろうが、値付は自由でございますことは承知しておりますので、これ自体が詐欺だとか、そういうことは言うつもりはございません。

ただし加工している商品とちがいまして、こちらは通貨でございますから、実際に手に入るものは同じであるわけです。原価が10円の化粧品を5000円で売るのとはわけが違います。

もちろん、なかには、かつてのジンバブエドル札のように価値がないお札であってもコレクションとして1000円くらいで売れることもございます。おそらくこちらも、そういった極めて少数のコレクターを対象としたものであると信じたいところであります。ただし、仮想通貨は実態がないわけですが。

こちらの会社様は重水素が減少した水を売られているようなので、もしかしたら、ここで販売される通貨は、われわれが一般に市場で手に入る通貨とちがって、なにか特別な加工がされているのかもしれません。

もしくは、差し引き47万円分の別の、付加価値があるのかもしれません。もちろん現在ステラは、なかなか買うのは難しいですし、英語を読んだり、ビットコインをもっていないと買い付けは難しいのは確かです。ですから、その難しい買い付け手数料として、1560%の手数料が上乗せされているのかもしれません。だったらそのように書いたほうが親切かとおもいます。

そうでなくても、手厚いサポートや、使い方を教えてくれたりすることが47万円の価値かもしれませんし、もしくは、ここに書いてあるように、おまけとして付いている4DSという未公開会社の10株が47万円の価値があるのかもしれません。

もちろんウェブに乗せているだけなら別に構わないと思いますし、買いたい人だけが買えばいいわけでございます。しかしながら、よくよく見ますと、この会社さんですが、rippleも扱っていらっしゃいます。rippleに関しては、「仮想通貨セミナー初級編」というセミナーをずいぶんと開催していらっしゃるようです。9月は8回も開催される熱の入れようです。

こちらはどのようなセミナーなのかは存じ上げませんが、こちらの入門セミナーに参加される方は、くれぐれも、他のところで十分にrippleについて勉強されてから参加されると良いと思います。

なお、rippleに関しましては、現在の市場価格は、日本円にして約0.5円です。豆知識として覚えておいて損はないと思います。

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あまりの事案でしたので書きましたが、定点観測は続けようと思っております。

みなさん、仮想通貨は、市価で買いましょうね。