オバマ政権が租税回避取り締まり強化、M&A銘柄を直撃 --- 安田 佐和子

2014年09月24日 18:00

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オバマ政権は、法人税負担の軽減を狙う租税回避(タックス・インバージョン、法人税率の低い海外への本社移転)の対抗策を打ち出してきました。

米財務省と内国歳入庁(IRS)は22日引け後、税務規定の変更を発表。5項目の規定変更には、本拠地を移転した企業が米国での課税を回避するため利益を融資として外国本社へ移転させる通称「hopscotch(けんけん遊び)」の禁止が盛り込まれたほか、海外の子会社から新たな買収先親会社を通じて現金や資産を非課税で移転する抜け穴を塞ぎます。米企業が一部資産を海外部門へ移転させてからスピンオフ(分離・独立)し、租税を回避する「スピンバージョン」の利点も剥奪。こうした手段を通じてスピンオフした企業は、米国企業と見なし課税するといいます。

アメリカでお馴染みのhopscotch、けんけんしながらマス目を移動。
hopscotch
(出所:Hfsparadise)

早速、加コーヒー・ドーナツチェ—ン大手と合併で合意した米バーガーキング・ワールドワイドは23日に共同声明を発表。115億ドルの合併計画は「長期的な成長期待に基づき、税制面の利点が理由ではない」と説明し、予定通り計画を進めていく方針を明らかにしています。それでも、バーガーキングの株価は2.7%安で取引を終えました。

そのほか、米後発医薬品製造のマイランに米国以外の先進国を対象とする事業買収で7月に合意したアボット・ラボラトリーズは2.1%安、アイルランドの同業と7月に買収合意した米製薬会社アブビーも2.0%安で引け。オランダに本社移転した医療機器メーカーのコビディエンと6月に買収合意したメドトロニックも、2.9%安でした。タックス・インバージョン取り締まりは海外当局の支援が必要となり徹底できるかは不透明ですが、バロンズ誌が指摘するように自社株買いが減速するなかで買収・合併(M&A)活動の重しとなるリスクに注意しておきたいところです。

(カバー写真:Bidness ETC)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年9月23日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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