時間と人生は「不可逆」

アゴラ編集部

NASAが火星へ有人宇宙船を送り込む際に宇宙飛行士たちを「冬眠」させる、と発表して話題になっています。カプセルに入って眠っている間に何百光年も移動する、というのはSFなどではおなじみのシーンなんだが、現代医学では一般的な治療法になっているようです。この技術、スキーの事故で昏睡状態になっていたF1レーサーのミハエル・シューマッハ氏にも応用されたらしい。

米国アラスカ大学の研究によれば、冬眠状態のクマの場合、従来の学説よりも体温を落とさずに代謝を下げて省エネにしているそうです。冬眠中のクマの体温は30度から36度の間を周期的に上下し、体温が低くなると無意識に体を震わせて体温を高めます。この仕組みが解明されれば、緊急医療や前述したような宇宙飛行士への応用が可能になる、と期待されています。


一方、表題の記事では、米国のIT系企業が女性従業員の「卵子凍結」に医療保険の適用を導入し始めた、と書いています。高齢出産に備え、若い頃に卵子を採取して保存しておく、というわけで、これも一種の卵子の「冬眠」でしょう。日本も同じなんだが、米国でも卵子凍結には保険が適用されません。この技術を使おうとすれば、単純に卵子を採取して管理保存するだけで50万円ほどかかり、保存期間が長いとそれだけ費用がかかるらしい。さらに、体外受精する場合、50万円ほどの費用が必要になります。

この記事によれば、導入を決めた米国Facebookでは、最大2万ドル(約210万円)まで保険が適用されるようになるようです。米国でも女性の社会進出により、仕事か出産か、迷うケースが増えているんでしょう。この技術、必ずしも成功するわけでもないそうで、成功率を高めるために複数の卵子を保存することになる。時間の「矢」の流れと人間の人生は「不可逆」であり、長い時間、冬眠しても浦島太郎の悲劇が待っています。卵子にしても同じかもしれません。

CNN.co.jp
フェイスブックとアップル、卵子凍結に保険適用


Android 5.0のコードネームは「Lollipop」(ロリポップ)で確定へ
リンゲルブルーメン
次期Androidバージョン「Android L」のコードネームは何か、というブログです。これは「Android 5.0」なんだが、「L」は「Lollipop」だったらしい。「There can only be one L.」というわけ。ちなみに「ロリポップ」はペロペロキャンディーみたいなもので、アイスキャンディも含む棒がついた菓子のことです。

「見えない傘」 Air Umbrella が出資募集中。空気で雨を吹き飛ばし、濡れない空間を生成
engadget 日本版
中国の発明です。「Air Umbrella」がクラウドファンディングでこの発明に対する出資者を募っている、という記事。我々の身近な技術でイノベーションが期待されるものがいくつかあるんだが、傘、というのもその一つ。あと、自動車のワイパーも100数十年、それほど進化していません。しかし、この傘、いろいろな欠点があるようで使う人が広まるのはちょっと難しいかもしれません。

How Could a 3-Inch Bloodsucking Leech Hide in Your Nose?
livescience
東南アジアを旅行したスコットランド在住の24歳の女性の鼻の中から、3インチ(7.5センチ)のヒルが生きて見つかった、という記事です。ベトナムで鼻血が出たんだが、バイクの事故のせいと気にしなかったらしい。おそらくベトナムで泳いでいたときに侵入してと考えられる。英国に帰国してからヒルの存在が発覚。ヒルが鼻の奥で動くのを感じていた彼女は、凝結した血の塊りだと思っていたようです。

Shock W.H.O. report: Ebola has 42-day incubation period, not 21 days!
NaturalNews
次第に欧米に広がる気配を見せ始めているエボラ出血熱なんだが、本当にこのウイルスのことを我々が知っているのか疑問、という記事です。そもそも「空気感染はしない」というのも少しずつ疑わしくなってきた。この記事では、エボラウイルスの潜伏期間は最長21日ではなく42日なのでは、というショッキングな話を紹介しています。そんなに長い潜伏期間があるとすれば、世界中に蔓延しても不思議ではありません。アフリカで積極的に活動している中国人がアジアへ持ち込んでくる危険性も高くなるでしょう。


アゴラ編集部:石田 雅彦