米国ロケット「アンタレス」はなぜ打ち上げ失敗したのか

アゴラ編集部

ここのところ、世界各国の宇宙開発はわりに順調に推移しています。宇宙関係の事故といえば、1986年と2003年のスペースシャトルの爆発の印象が強いんだが、その後、人の命に関わるような大きな事故は起きていません。

ただ、ロケットの打ち上げ自体は、今に到ってもけっこう失敗しています。2009年、2011年には米国NASAの「トーラスXL」ロケットが打ち上げ失敗し、今年2014年5月にロシアの「プロトンM」ロケットが地球周回軌道への投入に失敗して墜落するなど、成功率は上がっているものの、必ず成功するとは限らない。


日本のJAXAの場合、例えば「H-llA」ロケットでは2003年の6号機が失敗した以外、これまで24回の打ち上げが成功しています。また、小型ロケット「イプシロン」では「ROSE」と呼ばれる人工知能が、打ち上げ前に異常を検知し、自動的に打ち上げ中止の判断をするようです。

この10月29日(現地時間28日)、米国ヴァージニア州で打ち上げられた民間ロケット「アンタレス」が打ち上げに失敗、発射直後に爆発しました。このロケット、国際宇宙ステーション(ISS)へ補給物資を送るために打ち上げられたもので、無人のため、現在のところ死傷者はいないようです。また、ISSの食糧などはまだ余裕があり、ロシアの補給ロケットの打ち上げも予定されているため、差し迫った状況にはならないらしい。

「アンタレス」ロケットは、全長40.5m、2段ないしブースター付加の3段式です。当初計画の軌道投入搭載重量では、最大5トン、もしくはさらなるブースター付加でプラス1.84トンの能力を持つ、とされていました。その後、計画が変更されるなどして静止軌道への投入能力は2.4トン、ISSへの輸送の場合5トンになり、さらにエンジンが継ぎ足しの製造元混在状態になっていたようです。

打ち上げ失敗の原因は調査中とのことで、ロケットの第1弾エンジンでのトラブルが推測されているらしい。このエンジン、旧ソ連時代に製造されたものを米国で改造したものだそうです。また、付随装置はウクライナのメーカー製。どうもこのあたりに失敗の原因があるらしい。ちなみに「アンタレス」は蠍座の赤く輝く恒星の名前です。

ABC NEWS
Antares rocket explodes on launch from Virginia on mission to International Space Station


Mobile commerce is the next wave of mobile advertising
VB
Facebookの第2四半期の売上げの場合、CPI広告収入の62%はモバイルから得ているようです。この記事では、モバイルビジネスについて書いているんだが、米国ではすでにモバイル上で何か商品やアプリを売るビジネスが一般的なんだが、FacebookやTwitterなどのSNSもこの分野に進出しています。広告で稼ぎつつ、小売でも売り上げる、というビジネスモデル。ネット上のコンテンツでマネタイズが難しい、というのは、コンテンツだけで商売しているから、というわけです。

羨望を集める日本の幹細胞臨床研究
nature
いわゆるSTAP細胞騒動で深い傷を負った理化学研究所なんだが、7月には再生医療分野で大きな成果を上げました。高橋政代ユニットリーダーが率いる研究チームが、加齢性の黄斑変性という眼病に対してiPS細胞を使った治療を施し、その成功を発表。遺伝子治療の臨床研究については、世界中の研究者、研究機関が競い合っています。この研究結果により、日本は一歩先をリードしている、というわけ。ただ、汚名をそそぐことに躍起になるあまり、理研や研究承認機関が拙速に陥って再び深い陥穽にはまり込まないよう、念のために心配しておきます。

車内Wi-Fiも。パイオニアが国内初のLTE搭載ミラー型端末を開発
GIZMODOジャパン
9月30日にパイオニアが発表した車載機器端末を紹介している記事です。クルマのバックミラーにはETCなど多種多様な機能がてんこ盛りになりつつあります。後方視界を広角度で見渡せるものもあったんだが、あれはあれで遠近感がおかしくなる。このミラー型端末はタッチパネルになっているらしい。触るたびに角度がズレそうなんだが大丈夫でしょうか。
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パイオニアのリリースより。

Indian prime minister claims genetic science existed in ancient times
the guardian
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アゴラ編集部:石田 雅彦