日高屋だから「ひと」を学べた

2014年11月13日 01:30

いまサラリーマンの間で、「日高屋飲み」というものが流行っているらしい。一般的な居酒屋はお世辞にも料理が美味しいとはいえないし、土日祝日前だと2時間制で否応無しに退席させられてしまう。ところが、日高屋は料理が美味しくアルコール類も安い。長時間居続けても退店を迫られることもない。そのような理由から「日高屋飲み」たるものが流行っているそうである。


日高屋を経営する、株式会社ハイディ日高は、現在、東証一部上場企業として日本の飲食業のなかでもリーダー的な存在である。同社のスタートは、現会長の神田正氏が埼玉県大宮市(現さいたま市)に、約5坪のラーメン店「来来軒」を開店したことに端を発している。

多くの人に支持されて店舗が増え続けている日高屋 。先日初めて日高屋に入ってみたがメニューを見ると確かに居酒屋並に安い。私は、レバニラを単品で注文した。10分もしないうちに注文が出てきた。500円という値段の割にはボリュームがあり、味もしっかりしているのでアルコールが欲しくなる。時間は18時を過ぎた頃だったがほぼ満席状態である。サラリーマンらしき集団があちらこちらに陣取って酒を交わしている。皆なイキイキしている。飲み屋として利用していることが一目瞭然で分かる風景である。

驚いたのが、店の明るさとスタッフの元気の良さである。本書の著者である、松茂良氏は大学卒業後に、同社に入社して、当時最年少で店長に抜擢された敏腕店長である。現在は、飲食店向けのコンサルティングなどを手掛けているが、日高屋で学んだノウハウをベースにしたメソッドは注目されているそうだ。

本書には、スタッフの一体感を高めてマネージするノウハウが盛り込まれている。マネージで特に難しいのが、女性スタッフの扱い方だ。強めの言葉をかければ「パワハラ」と言われ、激励のつもりでスキンシップをはかろうとしたら「セクハラ」と言われる。松茂良氏の接し方は何しろ優しい。相手が納得するまで昏々と聞き役に徹してガス抜きをすることが重要とのことである。

時間帯によっては、泥酔した客が来店したり、クレーマーが来店したり、色々なタイプのお客様が来るのが飲食店の宿命でもある。人物観察を探求した結果、お客様が入店して数秒でどのようなタイプか想定がつくようになったという。お客様のタイプを理解して、切り盛りするのも店長の大切な役割である。

飲食業は離職率が高い。それだけスタッフに負荷がかかる仕事なのだろう。日高屋の離職率は一般的なそれと比較して高くはない。一般的な飲食業の1年以内の離職率は3割程度である。多いところでは5割を超すところもめずらしくはない。

ところが日高屋は11.1%と非常に低い。同社の神田会長は、人情派としても有名だが、メディア向けのポーズではなく、従業員を大切にする経営者で社員から慕われているそうだ。本書では、飲食店のみならず新任管理職やリーダーとして活躍している人にもお勧めしたい。もしかしたら出世できるかも知れない?

尾藤克之
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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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