「凶悪犯罪国メキシコ」で何が起きているのか

2014年12月10日 12:15

今や「メキシコ」といえば「怖い国」というイメージが定着しています。今年9月、太平洋に面した観光地アカプルコのあるゲレーロ(Buerrero)州で、同州政府と犯罪組織の癒着を糾弾するためにデモを計画していた学生43人が行方不明となる事件が起きました。12月7日、発見された遺骨のDNA鑑定からその中の一人の身元が判明。学生たちは殺害前後に焼かれてゴミ袋に詰められ遺棄された、とされています。


この事件の背景が日本人にとってはまさにトンデモで、学生たちの批判にさらされていた地元の市長らが犯罪組織に学生たちの拉致を指示し、その後、犯罪組織の手で殺害されたらしい。メキシコ政府は、ゲレーロ州の対応の遅さにしびれを切らして重い腰を上げ、これまで市長夫妻や警察関係者ら百名近くを逮捕し、残りの容疑者を指名手配して捜しています。

メキシコの治安の悪さは以前からありました。しかし、ここ十数年は「メキシコ麻薬戦争」と呼ばれるほどで、メキシコは長く「戦争状態」になっています。これは、麻薬カルテルなど犯罪組織同士の縄張り抗争とそれらを取り締まろうとするメキシコ政府との間の武力闘争。麻薬など違法薬物の大消費地である米国の存在が強く影響し、一連の「麻薬戦争」では、数年の間に数万人の死者、犠牲者が出ている、と言われています。

メキシコの犯罪組織で「最悪最凶」といわれていたのが「ロス・セタス」です。メキシコを含む南米各地の元軍人や元警官などを雇い入れ、防弾チョッキや重機関銃、はては対空ミサイルや攻撃ヘリなどで武装し、高い戦闘力を誇っていました。また、犯罪取り締まりをする当局の公務員や犯罪批判をする弁護士などを拉致し、残虐な拷問の上でみせしめのために殺害し、路上へ放り出す、というようなことを繰り返してきました。

一方、冒頭の学生誘拐事件のように、行政当局と犯罪組織の癒着も問題視されています。米国との国境バハ・カリフォルニア州では、同州警察の麻薬取り締まりチームが犯罪組織と一緒に犯罪に手を染めていたことが判明したりしています。また、メキシコの麻薬カルテルが米国内の犯罪組織への影響力も強め、米国は国内へメキシコの犯罪組織が入ってこないようにするため、自国内の犯罪組織に対する訴追に弱腰、とも言われています。

ただ、今年2月にはメキシコ麻薬界で最大のボスが逮捕されるなど、カルデロン政権の捜査取り締まりも進んでいます。犯罪組織も取り締まりや抗争でトップらが殺害されるなどし、次第に弱体化しつつあるのは確かでしょう。その一方、メキシコ経済がかなり上向きであるのも明らか。たとえば、長者番付世界一を4年連続で続けているのはメキシコの実業家カルロス・スリムです。

彼の資産は約6.8兆円と言われ、彼がこれほどの大金持ちになれたのも、メキシコ経済が壊滅的だったころに安値で電話会社などの国内企業を買い叩き、経済が持ち直してきたことで資産が一気に増えたことが要因です。経済が上向けばメキシコの治安も少しは良くなるのかもしれませんが、米国が自国の犯罪をメキシコへ押しつけている間はなかなか難しいのではないでしょうか。
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メキシコの治安の悪さを色で表した地図。学生たちが行方不明になったゲレーロ州は太平洋に面した左下に位置する。

CNN.co.jp
メキシコの学生集団失踪 遺骨から1人の身元を確認


Big video data could change how we do everything — from catching bad guys to tracking shoppers
VB
いわゆる「神の目」が実現しそうだ、という記事です。Googleは「Skybox」というGoogleアースの技術で、地球上の個々人のデータを「管理」したり動線を「把握」したりしようとしているらしい。これに利用されるのが「ビッグデータ」。もちろん、犯罪捜査などに使われ、人工衛星やドローンなどから得た膨大な情報を処理分析できる時代になっている、というわけです。
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SkyboxのHP。

単なる仲介業には留まらない Airbnbの新たな成長戦略は「おもてなしの心」
クーリエ・ジャポンの現場から
自宅の部屋に有料で泊めたい人と、そこに泊まりたい人とを結びつけるのが「Airbnb」という宿泊マッチングサイトです。ただ、日本の「旅館業法」ではグレーゾーンと言われている。本来なら旅館業の経営許可を行政から得なければなりません。もし、本気で旅館業免許を取得しようとすれば、普通の民家では許可は下りないでしょう。何か「事件」が起きて社会問題化すれば、この業態は規制されると思われます。もちろん、この記事で紹介されているように、便利に使っている人が多くなり、同サービスが広がりつつあるのは確かなので、きちんとルールを決め、サービス提供者が慎重に進めて行く必要があるでしょう。

Being connected is more of a good thing than it is a bad thing
GIGAOM
ほんの十数年前まで、インターネットに常時接続する、というのは技術的にかなり難しいことでした。しかし、今ではスマホなどを使えば、自宅以外の出先でも常に誰かとなんらかの方法でつながることができるようになりました。web上の情報を拾い集めれば、誰でも「物知り博士」になれます。一方、スマホをなくしたら、糸の切れた凧のように不安な気持ちになることさえある。SNSなどで交際範囲が広範に広がることができるようになった反面、人間関係がヴァーチャル化し、リアルなつきあいが少なくなったりしています。我々がこのシステムを使い始めてそれほど時間が経っているわけではない。上手に使うという意識が育っていくのは、まだこれからでしょう。

マクドナルドがタッチしてオリジナルバーガーを注文できるシステムを導入開始
Gigazine
アゴラでも大西宏氏の論考にあるように、マクドナルドの「迷走」ぶりを心配する声があります。日本だけではなく世界的に苦戦しているらしい。ただ、フランスのマクドナルドだけは別らしく、メニューをドメスティックに特化したことが成功につながっているようです。いくらグローバル化といっても人間が地球規模になるわけではありません。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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