汚職疑惑のFIFAから離反するスポンサー企業

アゴラ編集部

オーストラリアで行われているAFCアジアカップで、日本代表は1月20日にヨルダンを破り、3戦全勝で決勝トーナメント進出を決めています。連覇なるか、というところですが、メディアの注目はやはり監督のハビエル・アギーレ氏の「八百長問題」に向きがちです。これは、スペイン一部リーグのサラゴサ監督だったアギーレ氏に対する疑惑で、同氏は一貫して容疑を否定しているものの、現在、スペインの司法当局が同氏に対する告発を受理している状況です。


一方、日本ではあまり報道されていませんが、サッカーの国際団体、FIFA(国際サッカー連盟)もスキャンダルに揺れています。これは、2018年のロシアW杯と2022年のカタールW杯の開催地決定に際し、FIFA内部で汚職があったのでは、という疑惑です。イメージが悪くなったせいもあり、かつ本業が不振のソニーは、W杯のスポンサーから撤退。ソニーは2007年~2014年の8年間で3億500万ドル(約362億円)でスポンサー契約を結んでいました。

また、エミレーツ航空やカストロール、コンチネンタルタイヤ、ジョンソン・エンド・ジョンソンといったスポンサーも契約を更新せずにスポンサードから降りるようです。スキャンダルまみれのFIFAでは、広告イメージが悪いという判断があり、FIFAはソニーの代わりにサムスン、エミレーツ航空の代わりにカタール航空にスポンサードを打診しているらしい。一方、カードのVISAやコカコーラは、すでに2030年までの長期契約を結んでいます。

表題の記事によれば、FIFA W杯のスポンサー料の相場は、トップスポンサーで年間2400万ドル(約28億5000万円)~4400万ドル(約52億円)、その下のセカンドスポンサーで年間1000万ドル(約11億9000万円)~2500万ドル(約30億円)とのことです。セカンドスポンサーには、バドワイザーや南アフリカの通信会社MTN、マクドナルドなどが入っています。これらの企業もFIFAのイメージが悪くなれば、スポンサーを外れるかもしれません。

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2014年FIFA world cup Brazil」のHPより。

the guardian
Three leading sponsors ditch association with scandal-hit Fifa


This is the most crystal-clear image of space ever taken
QUARTZ
これまで撮影されたものの中で最も鮮明な宇宙の画像です。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したアンドロメダ星雲などの写真。ファイルのサイズは、15億画素だそうです。これ一枚で4.3GB。拡大すると無数の恒星が映っているのがわかります。
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画像:NASA

Gigapixels of Andromeda [4K]

Resurrecting a Meltdown-Proof Reactor Design
MIT Technology Review
新しい溶融塩原子炉(molten salt reactor, MSR)が設計された、という記事です。いわゆる第四世代の原子炉の一つ。1950年代から研究されている技術で、一次冷却材をフッ化物塩に使い、そこに核分裂物質を混ぜ、減速剤を黒煙に使った炉心に送って臨界させる。最近では、溶融塩にトリウムを溶かした燃料を使う原子炉が開発され、省エネで比較的安全、とされています。この記事で紹介されている原子炉は「TERRESTRIAL ENERGY」というカナダのベンチャーのもの。米国テネシー州オークリッジにある「Oak Ridge National Laboratory」の技術を使っているようです。
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溶融塩原子炉。「TERRESTRIAL ENERGY」のHPより。

Doomsday Clock Set at 3 Minutes to Midnight
livescience
昨日の当コーナーで紹介した「世界終末時計」ですが、今年の時刻が発表されました。これは、気候変動に対する各国間の温度差や核兵器の拡散、新冷戦などが勘案され、終末まで3分、23時57分、という切迫した時刻。とりわけ、インドとパキスタンとの間に核戦争の危険性が高まっているようです。

Saudi’s King Abdullah dies, new ruler is Salman
arabian Business.com
サウジアラビアのアブドラ国王が1月23日に亡くなったようです。90歳。後継者は皇太子のサルマン氏。サウジアラビアという国は、サウジ(サウード)家のアラビアという意味。国王一族の名前が国名になっている、という珍しい国です。OPECを主導するサウジアラビアの国王が交代する、ということで、石油価格にも少なからず影響が出るかもしれません。


アゴラ編集部:石田 雅彦