世界最大級イベント「スーパーボウル」をニワカが楽しむ方法

2015年01月30日 19:06

さて問題です。世界最大のスポーツイベントは何でしょうか?

FIFAワールドカップ!(サッカー)

・・・と思いましたか?まあ、多分そうなんだと思います。しかし、数えようによってはアメリカのアメリカンフットボールリーグの決勝戦、スーパーボウルだという説もあるらしい。

ウィキペディアのスーパーボウルの項によると、

経済誌『フォーブス』の2012年10月の発表によると、スーパーボウルのブランド価値は4億7000万ドルであり、夏季オリンピックやFIFAワールドカップなどを凌ぎ、世界一のスポーツイベントであると推定されている[10]。

・・・だそうです。まあ、こういうのはどっちも自分の都合の良い数字の作り方をして張り合うので、まあ「はいはい」って感じで流しておけばいいと思いますが、少なくともサッカーのワールドカップと張り合ってると強弁できるぐらいにはビッグイベントなんですね。

アメリカは野球の国・・というイメージがありますが、好きなスポーツ調査で2014年には倍の差(32%と16%)をつけられていて、この差は年々広がっていってるそうです。

そんなにアメフトってアメリカで人気なの?というのは他の国にいると全然イメージがわきませんね。いわゆる「アメリカのガラパゴス文化」なんですが、アメリカ自体の図体がバカでかいので、本当の意味でグローバル的なサッカーの祭典とタメを張るぐらいの大きさがあるってことですね。

で、そのスーパーボウルが、2月1日にあるんですよ。(アメリカ時間なんで、日本では2月2日月曜日の午前中になります)

NHK-BSが入るなら見れます。あなたも、前日2月1日の夜にある特集番組を見て色んな選手のキャラクターを把握して、で平日朝なんで予約録画しておいて、休日に3時間眺めてみる・・・というのはどうでしょうか。

とはいえ、いや、俺アメフトとか全然知らんし、そもそも興味ないし・・・とあなたは思うかもしれない。

まあ、それでもいいんですが、1年の間2月の最初のあたりだけ「ニワカ」ファンになってみると、色々と「違う世界」がかいま見える・・・かもしれないので、この記事は「アメフト全然興味ないあなたが、1年のうち3時間だけスーパーボウルを楽しんでみる」ためのガイドです。(よく考えたらオリンピックは大して知らない競技も結構熱中して見ちゃいますからね


私個人は、中学時代にある友人がアメフトマニアで、なぜかタッチフットを昼休みに毎日やってた・・・という以外には全然それ以降の人生で関わりはなく、詳しいことは全然知らないし、ちゃんとやったことあるスポーツはサッカー少年団と中学の軟式テニス部だけ・・・って感じです。でもそういう「ニワカ」だからこそ、「ニワカ」のあなたのためのガイドが書けるかもしれない。

これを機会にハマったら、もっと詳しい人に教えてもらってくださいね。

目次は以下の通りです。

1・スーパーボウルを見るとこういう良いことがある!
2・ルールの簡単な説明(ほんと簡単に)
3・アメフトのプレイスタイルの変化とグローバリズム

特にこの3がぜひ聞いて欲しい話題なんですよね。1・2はどうでもいいよって人も3だけ読んでいただければと思います。

現在アメフトは、

東海岸や内陸の保守的な地域のチームに多い、「ザ・アメリカン・ヒーロー」的な「王様的クォーターバック」のプレイスタイル

vs

西海岸の開放的な地域のチームに多い、「王様なんてどこにもいないみんなが主役」的プレイスタイル

の争いが、ここ最近の「二大潮流」的なトレンドなんですよね。

一昨年は、「王様クオーターバック」側がギリギリ勝ったんですよね。しかし昨年は、結局ついに「みんなが主役」側のチームが勝ったんですよ。あとで詳しく述べますが、そういう「アメリカにおける時代の変化」っていうのがプレースタイルの変化に凄く現れる感じがするので、なかなか面白いんですよね。

なんとなく、見てみようかな・・・と思いましたか?

では、以下本文です。

1・スーパーボウルを見るとこういう良いことがある!

まず最初に、アメフトなんて興味ないよ・・・というあなたも、年間たった3時間だけかけてスーパーボウルを見るとどういう良いことがあるのか?を書いてみます。

大きく二つあります。

A・アメリカ人と仲良くなるキッカケになる。
B・ニュースに現れないアメリカ社会の空気の変化を知ることができる。

まずAからね。

A・アメリカ人と仲良くなるキッカケになる。

関西人に営業する時に阪神タイガースのニュースをちゃんと知っておくのは重要・・・っていうタイプの仕事もあります。別にそんなことで左右されるような仕事を俺はしてないぜ!という人も、でもある種の「相手の世界のことを知っている」ってことが案外ビジネスで大事だったり(ビジネスでなくて単なる友人関係でも)することってありますよね。

私は大学時代に、当時一緒に住んでた女の子がNATOが爆撃した直後の旧ユーゴスラビアに文化人類学の調査に行ったので、ついていって一ヶ月ぐらいいた事があります。

爆撃で大事な橋が落ちちゃったままの街で、一ヶ月の滞在中だけでも目に見えてインフレが進んでいくような状態の中で、アメリカ版ゴジラを見ながら「アメリカ死ね!」って叫ぶセルビア人のオッサンの家に一ヶ月ホームステイするという結構「異文化体験ってこれやな」という感じの状況にちょっと最初はビビってたんですが、そのオッサンが日本人にもなかなかいないほどの大相撲マニアで、衛星放送を見ながら「キミの名前は実はケイゾウの山、とかケイゾウの海とかそういうのじゃないのかい?」とか聞かれたり、「無双山(その時優勝した)っていうのはno one is stronger than meっていう意味だよ」とか教えたら凄い喜んでいたり・・・とかしているとかなり満更でもない気持ちになりました。

そんな感じで、アメリカ人も、というかある程度「グローバル」な視点を持った知的なアメリカ人は、本国のアメフトの熱狂度合いに半分恥ずかしい思いを持っている一方で、でも同時にそこに誇らしい思いとか、ルーツ的なものを感じている人も多く・・・という結構フクザツな気持ちがあるんですよね。

そこで、よもやアメフトのこと知ってるとは思わない外国人がアメフトの話題を振ってくると、海外で日本人が大相撲ファンに出会うような、「嬉し恥ずかし満更でもない」っていう反応になることが多いです。

ってそんな下心で・・・というのもありますが、アメリカ人とちょっと関係する立場にいる人は3時間ぐらい話のタネに見てもいいかな?と思いませんか?

今は、あれこれと宗教だったり国だったり・・・という大きな枠組同士がぶつかって不幸な事件が頻発している時期ですけど、「俺はお前の宗教は嫌いだが、でもお前の国のコレ(スポーツとか食べ物とか漫画とか・・・)は正直すげえ好きだな」ってぐらいのコミュニケーションから地道にはじめてみよう・・・というのは、脳天気すぎるようでしかし大事なことだと思います。

そういう意味で、もう一個、アメフト見てみるといいことは、

B・ニュースに現れないアメリカ社会の空気の変化を知ることができる。

こっちの方が大事なんですが、スーパーボウルはアメリカ最大級のイベントなんで、つまり日本でいう紅白歌合戦(しかももっと昔の影響力が大きかった時代の)みたいな存在なんですよね。

間のCMもアメリカではやたら話題になるんですが(これは日本では見れませんが)、国歌も毎年全然違う雰囲気がありますし(今年はlet it goのイディナ・メンゼルさんらしいです)、マイケル・ジャクソンが昔伝説的なステージをやったので有名なハーフタイムショーもなかなか雰囲気があっていいです。

それらを、経年でちょこちょこっと見ていると、普段ニュースなど触れる情報、あるいは在米日本人が発信している情報・・・のような間接的な情報とは違う、「ああ、こういう空気の変化があるのかもしれないな」っていう感覚が得られるんですよ。

そういうのって、大事だし、何より面白いな・・・と私は思っていて、ここ数年、年に1回だけ2月初旬だけ「ニワカ・アメフトファン」になって3時間スーパーボウルを見る・・・ことにしているんですよ。

それで、最近アメフトは「プレースタイル」が大きく変化してきていて、それがグローバリズム的な時代の転換と凄く表裏一体な影響を持っているような感じがしているんですよね(その話はこの記事の最後にします)

それが、さっき書いた、

東海岸や内陸の保守的な地域のチームに多い、「ザ・アメリカン・ヒーロー」的な「王様的クォーターバック」のプレイスタイル

vs

西海岸の開放的な地域のチームに多い、「王様なんてどこにもいないみんなが主役」的プレイスタイル

の争いなんですよね。これについて書くのが本記事の目的と言ってもいいので、それを楽しみに読んでくださいね。

でもまずその前に、次回はアメフト全然知らない人のための超カンタンなルールの説明へ。

長くなってきたのでアゴラでは分割掲載しています。一気読みしたい方はブログでどうぞ。

今後もこういう「アメリカの時代の終焉」と、その先にある『グローバリズム2.0』の世界における日本の可能性・・・といった趣旨の記事を書いていく予定ですが、更新は不定期なのでツイッターをフォローいただくか、ブログのトップページを時々チェックしていただければと思います。

倉本圭造
経済思想家・経営コンサルタント
・公式ウェブサイト→http://www.how-to-beat-the-usa.com/
・ツイッター→@keizokuramoto
最新刊『「アメリカの時代」の終焉に生まれ変わる日本』発売中です

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