サムスンのスマートフォン日本撤退はありえる話

2015年02月13日 13:49

サムスンがスマートフォンで日本市場から撤退かという噂がネットに飛び交っています。韓国サイトのビジネスコリアが業界関係者の話として伝えた記事がネタ元のようです。
韓国サムスン、シェア急減で日本のスマホ市場から撤退か?


サムスンのブランドがなかなか通じない国といえば日本です。世界を席巻した液晶テレビも日本ではふるわず、2007年に撤退しています。さらに業務用ディスプレイでも世界市場では17%近くを占めるサムスンが日本では2%程度しかシェアが取れずに撤退しています。

スマートフォンでは2012年10~12月期には17%のシェアを獲得するなど大健闘していたのですが、それ以降は徐々にシェアダウンが始まり、Galaxy Note Edgeの失敗もあって、ついに日本国内シェアが4%まで落ちてしまったようです。

BCNで2015年1月の販売ランキングを見ても、ようやく27位にGALAXY S5 SC-04F、46位にGALAXY S5 SCL23が登場するにとどまっています。昨年はかなりCMを投入していたにもかかかわらず、失速してしまいました。iPhoneに話題を奪われ、その打撃をもっとも受けたのでしょう。
スマートフォン・携帯電話の売れ筋情報|BCNランキング

これだけの敗北の結果がでれば、日本市場から撤退するというのも順当な経営判断かとも感じます。

しかしサムスンが不調なのは日本だけでなく、韓国本土ですらアップルに牙城を崩され、中国市場でもアップルと小米(シャオミ)にシェアを奪われ、インド市場でも2014年第4四半期(10~12月)に首位の座を新興ベンチャー企業マイクロマックスに奪われたようです。つぎつぎに世界戦線で敗退しはじめています。

結局は、他社の製品を研究し尽くして、よりよい製品をつくるリバース・エンジニアリングでは相対的な違いしかつくれず、それにキャッチアップしてくる企業が登場してくると、その手法そのものの限界がやってきたということのように感じます。リバース・エンジニアでは、製品の性能やスペックを向上させ差別化をはかれても、消費者がワクワクする価値そのものを生み出せるとは限らないのです。
模倣と違う「イノベーションなき」サムスンのものづくり  :日本経済新聞

またサムスンが力を入れているスマートウォッチも売れていません。米グーグルのウエアラブル端末向けOS「Android Wear(アンドロイドウエア)」を搭載する腕時計型端末の昨年12月末までの出荷台数は、72万台程度にとどまったそうです。いくらOSをTizenにしても本質的な価値は変わらないので、今後ともサムスンがこの分野でブレークする見通しはありません。というか、サムスンはライバルから市場を奪うことには腕力はあっても、その市場そのものが成熟してくると、市場を創造したり育てた経験のないことが弱みになってきそうです。
出足鈍い、グーグルのスマートウォッチOS 昨年の出荷台数、わずか72万台:JBpress(日本ビジネスプレス)

サムスンの日本での退潮は、慰安婦問題などでの執拗な反日キャンペーンで韓国イメージが悪化したことも影響したのかもしれませんが、よほどの嫌韓中毒患者でもないかぎり、とくにサムスンに対して特別な感情を持っている人は少なく、だからこそ一時は日本のスマートフォン市場で高いシェアを取ることもできたのでしょう。

それよりは、やはり製品のデザインやディテールに厳しい日本の消費者の目には合格ラインに達せず、製品として、またブランドとしての魅力づくりに失敗してしまったことに尽きるのででしょう。とくにGALAXY Note Edgeのエッジスクリーンは、日本の消費者には、無駄なデザイン、無駄な機能の象徴として映ってしまい、サムスンにとっては致命傷になってしまったということでしょうか。

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大西 宏
株式会社ビジネスラボ代表

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