米株が7月に最大20%も調整する、10の理由 --- 安田 佐和子

2015年02月24日 15:34

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マーケットウォッチといえば、ご存じ米株情報サイト。経済金融ニュースの権威として知られるウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙やバロンズ誌と並び、ニューズコープ傘下にあります。そのせいか、バロンズ誌の論調にも似て慎重な見解を寄せていました。


タイトルはズバリ、「米株が7月に10-20%の調整を迎える10の理由」。7月と言えば、4-6月期の決算発表時期であり、ギリシャが再びユーロ圏の債権国をはじめトロイカ(EU、ECB、IMF)と融資延長で再協議を余儀なくされるタイミングですよね。米連邦公開市場委員会(FOMC)が2006年に実施して以来初めてとなる利上げが意識される頃でもあります。

JKマーケット・インサイツのジェームズ・コストリス氏はこうした事情を踏まえ、リスク要因10項目を挙げました。今年のリストは「例年より長く、想定される悪影響は深刻」と論じます。その割にブル寄りな同氏とあって、楽観的な認識が全面的に押し出されているリストは、以下の通り。

1. 景気拡大の長期化
現状の景気拡大は67ヵ月に及び、景気後退の時期が近づいている可能性を示す。ただし足元で米景気は軟調であり需給面で典型的な不均衡は現れておらず、今の状態が続けば無難に乗り切れるか。

2. ドル高
ドル高は輸出を圧迫する恐れが横たわる一方、輸出競争力の低減により景気後退やベア・マーケットの引き金を引くほどではない。

3. Fedの利上げ
Fedがタカ派に転じた場合は、危険信号。米1月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を読む限りでそのリスクは現状、限定的。

4. 原油安
原油安は生産業者や油田サービスに悪影響であるものの、企業や消費者にとってはポジティブ

5. 業績
2015年のS&P500構成銘柄の1株当たり利益は横ばいあるいはマイナスに転じるリスクもある上、株価収益率(PER)も頭打ちの様相をみせており上げ余地は狭い。

6. バリュエーション
CAPEレシオでは割高であるものの、バブルの水準には到達していない。

7. ギリシャ
投資家が過小評価するリスクのひとつだが、ユーロ圏は予期しない事態に備えている期待も。

8. ウクライナ
情勢悪化は東欧経済にダメージを与えかねないものの、米株市場へのインパクトは比較的小幅にとどまる見通し。

9. 中国
アジア成長のけん引役の景気は鈍化するものの、ハードランディングを回避するため大規模な財政政策および金融政策を講じる可能性が高い。

10. 地政学的リスク
ベネズエラといった産油国の体制が不安定化する恐れがあるほか、イスラム過激派が政治不安や社会不安を巻き起こす懸念も。

——はい、足元のリスク要因を総動員した内容になっています。個人的には2のドル高、3の米利上げ、5の業績が気掛かり。2015年は決算を控え2014年と同じく下落してスタートしたこともあり、7月も2014年と歩調を合わせ下振れするリスクに留意しておきたいところです。

(カバー写真:Andrew Smith/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2015年2月23日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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