晩節汚す人騒がせな鳩山由紀夫

北尾 吉孝

今回「鳩山由紀夫元首相が日本政府の自粛要請を押し切り、ウクライナ南部クリミアに入ったこと」に関し、各界の様々な人が痛烈に非難しています。


此の鳩山氏は首相在任中、所謂「普天間基地移設問題」を巡る稚拙な対応で米国の信用を大きく損う等々、様々な形での愚行を重ねました。

そして、野田政権下では政府の中止要請を無視してイランに行き国際原子力機関(IAEA)を批判したり、また政界引退後には香港のテレビ局のインタビューで「尖閣諸島は、日本が盗んだと思われても仕方がない」と述べたりもしました。

鳩山という人を一言で言えば、軽佻浮薄な人間の典型的な行為と思われることを次から次にやってしまう人騒がせな人、と形容できるのだろうと思います。

今回の件を受け菅義偉官房長官は、「首相を経験した政治家としてあまりに軽率で遺憾であり、厳しく非難したい」と言われています。

政治家の方は職業柄自己顕示欲の強い方が割合多いような気もしますが、民主党から自民党への政権移行が完全に為され、安倍政権は今少なくともマジョリティの支持を得ているわけですから、その政権が決める事柄を守って行くのは元総理大臣として当然です。

挙句の果てに鳩山氏は昨日、「旅券(パスポート)を返納させるべきだとの意見が日本で出ていることに関連し、没収されればクリミアに移住する可能性もあると語った」と報じられています。

此の報道が事実であるとすれば、最早常軌を逸しているとしか言いようがありません。クリミアに住みたいなら移住されたら結構かと思われ、ここに至ってはコメントすること自体ナンセンスに感じます。

先月18日のブログ『曽野綾子氏の時代錯誤を憂う』でも、晩節を汚すことなきよう曽野氏はもう余り発言されない方が宜しいのではと申し上げましたが、此の鳩山氏も正に晩節を汚す代表的な人だという気がします。

今から60年程前、日ソ国交回復を成し遂げた祖父・鳩山一郎元首相も、孫の浮ついた軽々しい言動を嘆いておられるのではないでしょうか。

秋川雅史さんではありませんが「千の風になって」是非とも一郎さんには、「クリミアに私は行きません 望んでなんかいません」と、「宇宙人」の孫に伝えて貰いたい位です。

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