議員報酬の詳細を知っているか?幾らが妥当なのか

2015年04月06日 06:00
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4月2日放送の「ヨソで言わんとい亭」(テレビ東京系)に出演する機会があった。番組では「永田町界隈で暗躍する政治家・秘書・官僚・政治評論家 ココだけの話大暴露」と題し、政治家や、官僚にまつわる暴露話が飛び交った。出演者は、杉村太蔵氏(元政治家)、岸博幸氏(元官僚)、伊藤惇夫氏(政治評論家)、尾藤の4名。私以外は著名人という構成である。


この中で、杉村太蔵氏の発言が、政治家の収入事情としてライブドアトピックスニュースとして扱われたのでご覧になった方も多いだろう。「手取りが月70~80万円、また、手取りの他に、文書通信交通滞在費というものが毎月100万円支給される。毎月の手取りが70万円として、文書通信交通滞在費100万円を合わせると、年間で2040万円の収入を得ることとなる。任期が6年ある参議院議員の場合は、1億円2240万円の収入が、何もしなくても懐に入ってくるというのだ」と書かれている。

国会議員の収入に関しては手当て等があるので線引きが難しいが、関心のある方のために、正確に記載してみたい。まず現在の議員報酬は「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」(平成二六年六月二七日法律第八六号)により規定されている。それによれば、1回生の国会議員でも129万4000円(月額)が歳費として支払われている。

また、国会議員は歳費以外に手当てを受けることになる。文書通信費が毎月100万円のほか、これ以外にも、期末手当(賞与)が年額635万円、立法事務費などの必要経費が月額65万円、JR特殊乗車券・国内定期航空券の交付(無料チケット)。他にも、3人分の公設秘書給与や委員会で必要な旅費、経費、手当て、弔慰金などが支払われる。さらに、政党交付金(政党交付金は各政党に支払われる)の一部が、各議員に支給されている。政党からの支給額は政党により異なるものの数100~1000万円程度といわれている。

これらの数字を合算すると次のようになる。
1.基本給1552万8000円(月額129万4000円)
2.期末手当635万円
3.文書通信費1200万円(月額100万円)
4.立法事務費780万円(月額65万円)
5.JR特殊乗車券、国内定期航空券(飛行機月4往復迄。北海道選出の議員であれば、東京⇔北海道4往復として4万6000円×往復×4回=36万8000円×12ヶ月=441万6000円)
6.秘書給与2100万円(政策秘書900万円、第一秘書700万円、第二秘書500万円と仮定)
7.政党からの支給 1000万円と仮定して
合計 77,094,000円

各種手当や経費は、直接懐に入るものではないから、杉村太蔵氏のコメントにあるように「毎月の手取りが70万円として」というのは率直な感覚なのだろう。しかし、議員の役職によっては公用車も支給される場合があるし、企業献金や政治資金パーティによる収入が加算されるので更に増えることになる。当選したばかりの議員でも、単純計算でこの金額を得ることが可能なのである。

「もらい過ぎ」なのだろうか?現行法では雇える公設秘書は3名であるが3名では足りないので自費で私設秘書を雇うことになる。議員によって私設秘書の人数は異なるものの計算上5名と仮定しよう。かかる経費を1人辺り400万円と試算して5名と考えても2000万円が固定費。交通費や活動費等の経費を考えれば、給与分×2倍が消える勘定だ。そう考えれば4000万円が無くなることになる。

そして次の選挙に立候補するお金も捻出しなくてはいけない。人件費、選挙事務所費、光熱費、通信費、選挙運動用ポスターなどの印刷費や雑費。ざっと数えても、数千万円はくだらない。しかも、政治家は落選すれば「ただの人」である。議員報酬は幾らが妥当かというテーマについては、多くの意見があると思うが、これらの実態を踏まえて考えてみてはいかがだろうか。

尾藤克之/ジャーナリスト、経営コンサルタント
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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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