ニトリ社長の「私の履歴書」は毎朝必読の面白さ --- 内藤 忍

2015年04月09日 13:17

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4月に入ってから、朝起きて日経新聞を読むのが毎朝の楽しみになりました。人気コーナー「私の履歴書」のニトリホールディングス社長の似鳥昭雄氏の話が、面白すぎるからです。


いや、面白いと言っては失礼かもしれません。まだ幼少時代から社会人になりたての頃までの話しか書かれていませんが、あまりに壮絶なのです。本当に実話なのか?盛っているのではないか?と疑ってしまうほどです。

例えば、

「父親から毎月1回ぐらい、気絶するまでなぐられた。「熱があっても手伝いは休めない。逆に「気が抜けている」とひどく怒られる。だから頭はいつもコブだらけだった。」
「薄い防寒着にゴム1枚の粗悪な長靴を履いているだけ。とにかく寒く、凍え死んでしまいそうだ。手伝いなのに生死の境に直面することが何度もあった。」
「ヤミ米の配達には毎日かり出される。冬のある日、配達先で震えていると、玄関を後にした直後、母からなぐられた。」
「楽しみは寝ることだけ。そのときだけは苦しみから逃れられるからだ。」
「登校時は学校へ着くまで長い竹ざおでつつかれまくる。いじめられてもいつもニタニタしているので「ニタリくん」と呼ばれていた。」
「通信簿も5段階の1か2ばかり。母には「1が1番良くて、5が最低」とウソをついていた。それがなぜか長い間ばれなかった。何も知らない母は井戸端会議で「うちの子は1とか2ばっかりで優秀なんだ」と自慢をしていた。」
「試験科目は英語と経済学。そこでカンニングを思いついた。」
「なんとしてでも2年間で卒業しないといけない。そこで教授を褒めたり、ワインを届けたり、できないなりにあらゆる努力を尽くし、単位取得に動いた。」
「契約も取れないまま。ノルマが達成できない他の新入社員は相次ぎ辞めさせられた。私も解雇の対象だが、一つだけ生き残る道を見いだした。花札だ。」

家でも虐待され、学校でもいじめられ、学生時代は遊んでばかり。社会人になっても、その癖は直らない。試験のために、カンニングしようとしたり、教授のいきつけのスナックに行ったり、コメを付け届けしたり、ギャンブルで解雇を逃れたり・・・。何でもありの世界です。

そんな似鳥社長が率いるニトリホールディングスは、2015年2月期の決算で28期連続の増収増益を達成。日本有数の優良企業に成長しています。経営の秘訣は、ロマンとビジョンを掲げ、「他社より5年先をゆく」経営を進めてきた結果と書いていますが、私の履歴書の経歴とのギャップがどこで埋まるのか。何とも不思議です。

そのヒントは、文章の端々に出てくる父親の言葉にあるように思います。

「成功するには人の2倍努力するか、人のやらない事をやるしかない」
「頭が悪いのだから、有名大学を出た優秀な人材を使えばいい」

好きな言葉は「短所あるを喜び、長所なきを悲しめ」。賢くないのであれこれリスクを考えず、自分では何もできないから色々な人たちの力を借りて仕事をしてきたと語ります。

私の履歴書が面白いのは、やはり似鳥さんのようなゼロから起業した経営者。そして2世ではない政治家。逆に、つまらないのは、一部上場企業のサラリーマン社長と官僚です。似鳥さんと同じ人生を歩みたいとは到底思えませんが、その生き様には強く惹かれます。

これからの展開が毎日楽しみです。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年4月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。


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