熟女区長なら渋谷の“同性愛条例″は廃止か?

2015年04月21日 07:00

どうも新田です。ピースの綾部さん曰く、熟女とは、「心身を磨いて努力している素敵な方」であり、心よりリスペクトしています。ところで渋谷区長選といえば、全国的には、施行済みの同性パートナーシップ条例の扱いを新区長がどうするか注目しているわけですが、告示前日の討論会の様子をニコ生のタイムシフトで見ていましたら、ワタシメを含めたニコ生ユーザーが「あれ?」とズッコケてしまったんですよ。


■討論会での「〇」の真意は?
条例の賛否を〇×で尋ねたシーン。自民党都議から区長を目指す村上さんが、てっきり「×」で反対の意思表示、もしくは「〇」「×」両方を出して態度をあいまいにするのかという予想に反し、な、なんと「〇」を表示。村上さんが潔くよく「×」を出すものと信じていたネトウヨ界隈の困惑には同情を禁じ得ないと思いきや、すかさず「質問の主旨がおかしい」とピシャリ。「敢えて〇を挙げた」のは、「先の定例会で条例の決定はされた」からということで議会決定をリスペクトしたに過ぎないようです。

村上「賛成」瞬間

このあたりの真意、3Kが第一声の記事でしっかりお伝えしておりまして。

同性パートナー条例も争点!? 4新人激突の東京・渋谷区長選
同条例には自民が反対、公明が賛成したが、自民の推薦と公明の都内組織から支援を受けた元都議の村上英子氏(59)は、公明に配慮して同条例については触れないとの憶測もあった。しかし、この日の第一声では「条例の中身を決めるのはこれから。当選しないと、しっかりと中身を整えられない」と主要争点として挙げた。(2015年4月19日 産経ニュース)

まー、本音としては中身を変えていく中で徐々に自分たちの思う方向にアジャストしたいんだな、と。そりゃそうですよね。つい最近まで自民党本部の会合で、条例を推進した桑原区長を呼び出す意見が飛び交っていたわけですから。

渋谷区の同性パートナー条例 自民党から異論
自民党は25日、家族の絆を守る特命委員会(委員長・古川俊治参院議員)の会合を党本部で開き、同性カップルに「結婚に相当する関係」を認めるパートナーシップ証明書を発行する東京都渋谷区の条例案について議論した。出席者からは「証明書にどういう効果があるのか」など懐疑的な意見が多く、次回会合で桑原敏武区長から説明を聞く方針を確認した。(2015年3月25日 産経ニュース

■自民区議団の「本音」を入手
実際、自民区議団は先の条例採決で反対に回っており、さらに条例施行後に区内で有権者の方に配った区議団の区政レポートでは、「条例に反対!」を明言しており、区民の方からゲットしたのでご紹介。
自民区議団
文面では、性同一性障害者への配慮はしていて、あるいは条例運用に当たっての詳細なテクニカル面の不備を指摘するなりして、感情は抑え、それなりにロジカルに練ってはおります。とはいえ、「村上区政」の屋台骨を支える区議さんたちの本音がメイン見出しの「!」に感情が込められているようで、パートナーシップ条例の先行きは現在の通りに行くはずがないと考えるのは無理もありません。

■ぶっちゃけ条例廃止はあり得るのか?
ただ、実際にどなたが当選するという話とは別に、仮に新区長が「条例を廃止してやる」と息巻く方だった場合、すぐに廃止になるのかといえば、そこが微妙なところが地方政治・議会の奥深くも面倒なところです。条例を廃止する場合は「条例を廃止する条例」を新たに出すわけですが、議会にかけて多数決を取らねばなりません。全国の地方議員の多くは国会議員と違って条例案を作る能力もリソースも無い割にアレな制度という気はしますが、それが二元代表制のルールです。

渋谷の場合、パートナーシップ条例案が採決された時は「賛成21:反対10」でしたが、今回、区長選と同時並行の区議選に自民は13人の候補者を擁立。全員が当選して現有議席の8に上積みし、さらに、どうせ反対しそうな次世代の党の新人1人が当選したとしてもトータルで14人。区議会の過半数(18人)にあと4人足りない。おまけに国政の連立パートナーで、一緒に推薦を出している公明は賛成に回っており、早期での「廃止」は考えづらいのが実状のようです。

■複雑に錯綜する保守の“思惑”
とはいえ、村上さんが区長になったら「条例を辞めてしまいたい」支持基盤の本音を何らかの形で施策に反映せざるを得ないのではないでしょうか。去年、東洋経済オンラインでのワタシメの取材に応じていただきヤジ問題の率直な見解もいただいたんですが、誠実な受け答えの中にも保守政治家としての芯の強さをにじませるものを感じましたので、当選されたら“政権交代”の成果は出すと推察します。

なお傍論の暴論ながら、憲法24条が「結婚は両性の合意」と定めている中で、この条例が憲法改正の絶妙な切り口になるというマニアックな見方が安倍さんのお友達にございます。つまり「改憲は絶対反対だけどLGBT権利擁護に熱心な」サヨリベ界隈の人たちに対する攻め口になるわけです。いやはや、保守界隈の思惑は複雑怪奇。このあたり、自民党大ボスの安倍さんがどう思っていらっしゃるのか非常に興味あるところです。ではでは。

新田 哲史
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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