日本の不動産は、あのギリシャよりも割安? --- 内藤 忍

2015年04月21日 10:59

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イギリスの経済誌「The Economist」に世界の住宅価格の比較が掲載されています。賃料や可処分所得と比較した不動産価格の長期的水準では、日本の不動産はギリシャより割安という結果になっています。


図表も「The Economist」からの引用ですが、一番左の列は1年前からの価格変化ですが、26の国のうち最も下落したのがギリシャ、その次が中国という結果になっています。日本は辛うじてプラスの水準。マイナスになっている国にはユーロ圏のラテン系の国が並びます。

左から2番目の列に表示されているリーマンショック直前の2008年との比較では、日本はまだマイナスになっています。

右側の2つの列は、長期的な平均との比較で、割高・割安を計算したものです。

例えば、右から2番目の列は、賃料(Rent)の過去の平均的水準から見て現在の住宅価格がどのくらいの水準にあるかを計算したものですが、日本は28%割安とギリシャの16%割安よりも、さらに安いという結果になっています。

一番右の列の、可処分所得(Income)に対して住宅価格がどの位の水準にあるかから計算した数値の長期的な平均との比較では、日本は33%の割安。それに対してギリシャは17%割安に留まりました。

これらのデータは、その国の過去のデータとの相対的な割高・割安の比較であり、国同士のデータを比較したものではありません。

また、国内で地域差がありますから、単純な比較は危険です。日本国内でも、都市圏と地方では不動産価格の動きは異なっており、同じ東京でも都心部と郊外での2極化が進んできています。全体的な傾向を見る上での参考にはなりますが、国全体で分析することには限界があります。

確かなことは、過去の平均的な水準から見て、日本の住宅価格が低位のまま、回復していないことです。低金利を背景に上昇傾向の世界の不動産市場に取り残されたような日本の不動産市場がこれからどうなるか。東京で始まった先行的な動きが、地方にどこまで波及するかにかかっていると思います。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年4月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。


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