都構想7:市議はん「イヤよ~イヤイヤ」はあきまへん

2015年04月21日 16:32

橋下市長が憎いのか、維新が嫌いなのか、大阪都構想が気に喰わないのか知らないが、常日頃は、不倶戴天の敵である筈の共産党と自民党が一緒になって「大阪都構想ハンタ~イ」と叫んでいる。

仲の悪い者同士でも「利害が一致」すれば助け合う喩えに、「呉越同舟」と言う言葉があるが、大阪都構想反対「共闘」は正にその典型である。


それにしても”大阪都構想ハンタ~イ丸”に「呉越同舟」とばかり乗り込んだ市会議員達の目指すゴールが判らない。

いったいどこへ行って、何をしたいと言うのか?

何の目的で、どこへ行ったのかさっぱり判らない地方議員と言えば、何と言っても「号泣記者会見」で世界を驚かせた野々村竜太郎元兵庫県議である。

野々村元県議は、その号泣記者会見で「皆さんのご指摘を真摯に受け止めて、我が県のみウワッハッハーーン! そういう問題ッヒョオッホーーー!! 解決ジダイガダメニ! 俺ハネェ! ブフッフンハアァア!! ウーハッフッハーン!!  ずっと投票してきたんですわ! せやけど! 変わらへんからーそれやったらワダヂが! 立候補して! 命がけでイェーヒッフア゛ーー!! 世の中を! ゥ変エダイ! その一心でええ!! 西宮ッヘエ市民の皆さまに、選出されて! やっと! 議員に!! なったんですううー!!!」等と長々としゃべり続けたが、聞き取れたのは「西宮市民の皆様に選出されて、やっと議員になったんです」くらいで、内容に至っては支離滅裂で理解を超えていた。

その野々村元議員より判り難いのが「都構想反対共闘派」の主張である。

「分権は大阪の力を弱くする」と主張して都構想反対を打ち出した藤井京大教授に便乗した自民党竹本直一、民主党辻元清美両大阪支部長は、声を揃えて「愛する大阪を壊してはなりませ~ん!」と分割反対を連呼している。

その一方、今回は大阪都構想反対で自民党を手を組んだ共産党は、「都構想による集権主義ハンタ~イ」と叫ぶ。

一体、どちらの言い分を聴けと言うのか?

「支離滅裂」とは「ばらばらでまとまりがなく、筋道が立っていないさま」を言うが、全く異なる理由で「大阪都構想反対」で一致した共産党から自民党にいたる各党の主張は、野々村元議員の言い分より更に「ばらばらでまとまりがない」と言う意味で、「支離滅裂」と言う言葉が「ピッタリ」する。

都構想反対運動の象徴となった観がある藤井教授自身も、そのプレゼンテーションの中で、「都構想反対だからと言って、今の大阪で良いとは決して思わない。反対しているのはやり方であって、改革には賛成なんです」と言い、自民党市議団の柳本顕幹事長も「都構想の目指す改革は必要だが、都構想の様に大掛かりな統治機構の改変をしなくとも、今の行政機構で改革は充分出来る」と述べている。

このようなコメントを耳にすると、都構想に反対しているのは、そのやり方であって都構想が目的とする改革ではないと言う事になる。

しかし、現実は違う。

今回の住民投票で「大阪都構想」が否決されれば、藤井、柳本両氏が必要だと明言している「改革目的」そのものも葬られる事を大阪市民はよく知って欲しい。

日本のように、「目的」と「やり方」を同じ次元で論ずる国も珍しい。これも、やり方重視の日本の教育の弊害である。

話は少しそれるが、狂信的な藤井教授は別として、自民党市議団の柳本顕幹事長などは、その冷静で真摯な語り口からも、維新側がもう少し粘り強く折衝していたら、これだけ対決ムード一色にならなくとも解決出来たのでは? と思うと、ちょっと残念な気もする。

それにしても、他の政策では事毎に対立する各党、各会派の市会議員の先生方が、都構想反対だけは仲良く手を繋いでいる理由はなんだろうか?

やっと見つけたものは、市会議員の権力と高給を、大阪都構想で失うのは「イヤよ~イヤイヤ」と駄々をこねる醜い姿であった。

合理的で利に聡い大阪人の多くは既に気がついているとは思うが、この辺の事情を上手に説明しているのが、高橋洋一先生の「奇妙な地方議員の報酬の高さ 大阪都構想の反対は、地元の大阪市議会議員に強い」と言うブログ記事である。

このブログ記事には「日本の地方議員一人当たりの報酬を他の先進国と比べると、日本680万円、アメリカ65万円、ドイツ50万円、イギリス74万円、フランスほとんど無報酬。―中略― それにしても、地方分権が進んでいない日本の地方議員の報酬等が極めて高いのは奇妙である。
地方分権が進んでいないので、地方議会の行う立法・条例作業は少ないはずだ。それでも報酬が多いのは、仕事と比較して実質的な報酬はさらに高いことを意味する。
なぜ、市議会が都構想に反対するのか
高い報酬は欲しいが、仕事はしたくないという態度を露骨に感じることもある。例えば、大阪都構想への反対だ。大阪都構想が実現すると、今の市議会議員が区議会議員になり、しかも地方分権になるので仕事が増える。
大阪市議会議員の報酬は月額77.6万円であり、東京都の区議会議員を含めすべての市区町村議員より高い。都構想ではこれが不都合になる。
大阪市議会がなぜ大阪都構想に反対するのか。市議にとって都政移行は、報酬が下がり仕事量が増えることが真相だと邪推していまいそうである」と書かれている。

いやいや高橋先生、それは邪推でなく本当でしょう。

大阪都構想を否決する事は、権力と高級にしがみつくだけの「大阪市議会議員」の信任であり、「合理的で利に聡い」長所を持つ大阪人が、標準語をしゃべれない東京人となる宣言のようなものだ。

戦後70年。ずっと今の制度でゆっくりと、しかし確実にずれ落ちて来た大阪に、今更、「改革は必要だが都構想のやり方には反対だ」などと言っている平和ボケの余裕は残されていない。

大阪は、「現状維持即是敗退」の非常事態である。

日本も東京も、繁栄する大阪、未来への強力なエンジンを備えた大阪の再登場を必要としている。

今こそ大阪人は、改革に二の足を踏む市議たちに「イヤよ~イヤイヤ」と絶縁宣言して、昔のような東京の強力なライバルとなる一歩をを踏み出す時だ。

2015年4月20日
北村 隆司

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