慰安婦はノーベル平和賞に該当せず --- 長谷川 良

2015年04月30日 10:03

世界で最も名誉あり、評価の高い賞はなんといってもノーベル賞だろう。だから、毎年ノーベル賞受賞者発表のシーズンを迎えると、世界のメディアは受賞候補者を紹介する記事を掲載し、人々の関心を否応なしに刺激する。


ただし、数多いノーベル賞の中でも毎年、議論を呼ぶのは平和賞だ。物理学賞や化学賞とは違い、はっきりとした実績がなく、ここ数年、将来への期待が含まれる受賞者が多く選出されたこともあって、平和賞は政治的な思惑が濃い、といった批判の声をよく耳にするようになった。

韓国メディアによると、同国の韓国女性弁護士会と女性平和外交フォーラムが28日、旧日本軍の慰安婦だった女性をノーベル平和賞候補に推薦する意向を表明したという。このニュースに接した時、「ノーベル平和賞は廃止すべきだ」という意見はひょっとしたら正しいのではないか、と思ったほどだ。慰安婦はノーベル平和賞候補に該当しない。その理由を以下、説明したい。

慰安婦を平和賞に推薦する団体はその理由として、「慰安婦生存者らは女性に対する暴力反対と戦争犯罪に対する反省を促すなど女性人権と地域平和のために貢献している」(中央日報日本語電子版)からだという。上記の理由から慰安婦を平和賞に本当に推薦したいと考えているか、といった疑いが出てくる。

世界には、女性の人権、権利向上のために努力している数多くの女性NGO団体が存在するし、長い歴史と実績もある個人、団体が多数存在する。慰安婦が平和賞候補に該当しないと考える最大の理由は、特定の国(日本)への憎悪が背景にあることだ。憎悪が動機となっている団体、個人が平和賞を受賞すれば、ノーベル平和賞は文字通り、その瞬間、その死刑宣言を表明したことになるだろう。世界の平和を願って賞を創設したアルフレッド・ノーベルはどう考えるだろうか。

「女性への性犯罪防止を訴える」というのならば、慰安婦たちは過去、韓国国民に向かって女性への性犯罪防止のため活動した実績があるだろうか。慰安婦たちは駐韓国日本大使館前の反日集会やデモに動員されるだけで、肝心の「女性への性犯罪防止」運動には、これといった実績がないのが現実だろう。

韓国は先進諸国の中でも性犯罪発生率が最も高い国の一つだ。世界で女性が最も多く性犯罪の犠牲となっている国の慰安婦たちが「女性への性犯罪防止」云々の理由で平和賞を受賞できるだろうか。

韓国では2月、姦通罪が廃止されたが、ここにきて売春合法化の動きも出てきている。慰安婦たちは何をしているのか。女性への性犯罪関連法が廃止されるというのに、彼女たちは反対、抗議のデモ集会を開いたのか。

残念ながら、慰安婦たちは一部の反日運動家の道具となって反日デモ集会にしか顔を出さない。これでは「女性への性犯罪、暴力反対云々」といった推薦文句は空言に過ぎないといわれても仕方がないだろう。

慰安婦が「戦争時の性犯罪の犠牲者」というならば、韓国兵士のベトナム戦争時の戦争犯罪も旧日本軍のそれと同列にして女性の権利のために訴えるべきだが、慰安婦たちが韓国兵士の性犯罪に抗議したというニュースは聞かない。

慰安婦たちを批判する考えはない。一部の反日職業活動家たちが彼女たちを反日運動の道具として利用しているのだ。批判されるべきは彼らだ。ノーベル平和賞候補云々は慰安婦たちを不必要な騒動に陥れるだけで、ひいては彼女たちを侮辱することにもなる。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2015年4月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。


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