歴史認識問題はどうすれば完全解決するのか?

2015年05月07日 05:30

前回、21世紀の尊皇攘夷運動=安倍政権は開国政府を作れるか?という記事で、「歴史認識問題」をどうやったら本当に解決できるのかを考える記事をはじめました。

安部首相の米議会演説などの影響か、自民党の若手議員有志が、「歴史修正主義的な過剰なナショナリズムを排し、保守の王道を歩む」勉強会を始めたそうで、そういう動きを巻き込んで、国際的に受け入れられやすく、かつ、多くの日本人の自然な感情としても「受け入れられやすい」着地点を模索する動きは今後出てきそうです。

そして、「あまりにも歴史修正主義的すぎる」要素を安倍政権が減らしていくことは、「ちょっと一緒にされたくない」的な意味で安倍政権の支持者の多くにとっても「願ったり」であることは間違いありません。

しかし、これが「一部の物好き」のレベルを超えて大きなムーブメントになっていくためには、「現状の最も過激な歴史修正主義者」的な振る舞いをしている人が、「なぜ」そうしているのかについての理解が必要です。

「国際的に許されない振る舞い」を見逃す必要はないですが、一方で「彼らの側の切実な事情」を無視したまま無理やり押し込んでいっているだけでは、より相互理解が不可能になって過激な対立が温存されるままになってしまうでしょう。

それでは、前回の続きを始めます。

歴史修正主義の問題は、「彼らが大事にしたいと思っているもの」があって、それをキチンと表現する「欧米的価値観で政治的に正しい論理」が用意出来ない時に、それでも彼らが毎日安定的に生きていくためのプライドの源泉を保つためのアレルギー反応として生まれているわけです。

彼らはウソをつきたいわけでもないし、無意味に他の国の人を貶めたいわけでもないし、ただ彼らの生活を支えるプライドの源泉を守りたいだけなわけです。

しかし、その「生活の源泉」に対して今の「欧米的価値観の中で政治的に正しい論理」のあり方が今一歩届いていない部分があるので、「彼らなりの表現形式」でそれを表出せざるを得なくなっているわけですね。

ここで大事なのは、「だから大目に見ろ」という話ではないということです。「このオッサンは普段の生活で疲れてるかもしれないが、だからといって痴漢は許せません」というような「裁き」はちゃんとやる</b>ということです。

一方で、社会の構造的にそこに「シワ寄せ」が来ている現状は、「意識高い系の論理の延長」として実現するぞ、という、そういう「包括していく態度」が必要なんですよね。

イスラム国でのテロ事件の時に、そりゃテロリストの生まれた境遇には同情されるべきところはあるが、だからといって「テロを許す」ことはやっぱり良くないですよね。

そこをナアナアにしはじめると、実際問題としては、「殴っても殴り返してこないでお金払ってくれる国」扱いされてトコトン殴られる・・・という人間社会の現実はどうしてもあるからです。

一方で、そこにテロリズムが生まれてしまうメカニズム全体を、なんとかしていこう・・・という動きは真剣になされるべきですし、それは「テロするヤツを許さない」態度と決して矛盾しません。というか、両輪でやっていかないと決して解決しない問題ですよね。

日本における「右傾化勢力」は、もしあなたが逆側の立場にいて遠目に見ているだけだと「一枚岩」に見えるかもしれませんが、決してそうではありません。というか、冒頭の自民党の勉強会のように、「ちょっとあいつらとは一緒にされたくねえ」という危機感を持っている層も確実にいるでしょう。

「右vs左」の対立から、「良識派vsムチャクチャな過激派」ぐらいの「陣営の組み直し」が起きれば、「尊王攘夷運動から始まってそれなりに良識的な開国政府を作った」ような流れを引き寄せることができます。

その時に大事なことは、「尊王攘夷運動」側にいる人が「どうしても否定されたくないもの」は何なのか?を本質レベルで理解することです。そしてそれを「彼らとは違う回路」で解決してやることです。

では、「尊王攘夷運動側」にいる人たちがどうしても否定されたくないと思って頑張っている「理由」とはどういうものなのか?について、次回は考えてみることにします。アゴラでは分割掲載をしているので、一気読みをされたい方は私のブログでどうぞ。

この連続記事の内容を、一枚絵で表すと、以下のようになります。
150407_右翼さんとナウシカ

それではまた、次の記事でお会いしましょう。ブログ更新は不定期なのでツイッターをフォローいただくか、ブログのトップページを時々チェックしていただければと思います。

倉本圭造
経済思想家・経営コンサルタント
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