朴大統領・迷い道 --- 井本 省吾

2015年05月14日 10:24

知人が送ってくれた朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領を揶揄したユーチューブを見た。傑作である。


「迷い道」は歌手の渡辺真知子が自ら作詞・作曲して1977年に歌ったデビュー曲だ。ヒット作で多くの人の耳に残っていようが、朴大統領の現状に当てはめると、驚くほどピッタリ来る(投稿日時をネットで探ると、2013年11月27日。だが、2015年5月の今の方がより衝撃的だ)。

現在 過去 未来 あの人に逢ったなら
私はいつまでも待ってると 誰か伝えて
まるで喜劇じゃないの
ひとりでいい気になって
さめかけたあの人に 意地をはってたなんて
ひとつ曲り角 ひとつまちがえて
迷い道くねくね

朴大統領は就任後に、反日の姿勢を打ち出した。今から思うと、「1つ曲がり角を間違えて」しまったのではないだろうか。

安倍首相はじめ日本側が「慰安婦の賠償問題」が日韓基本条約で済んだ問題だと突っぱね、この件で「さめている」のに、それがわからず「意地を張り」続け、「日本は反省しない、謝罪しない」と世界中で「告げ口外交」を展開してきた。

本当はどこかで方向転換したかったのかも知れない。だが、野党や韓国のマスコミにたきつけられて、反日姿勢をとり続けざるをえなかったという側面がある。父親は日本との連携を密にしていた朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領で、ただでさえ「親日」の烙印を押されがちなので、「親日だ」と疑われまいと、ことさら「反日」を前面に押し出した感もある。

その野党や韓国のマスコミが昨今、手のひらを返したように対日外交を変えない朴政権を批判し始めた。安倍首相が日中首脳会談を実現させ、米議会でも演説して多くの米国議員に評価され、逆に反日の韓国が世界で孤立しつつあるからだ。

折から北朝鮮が潜水艦発射ミサイル(SLBM)実験を断行するなど、日米韓の連携を強める必要が高まったことも影響していよう。

就任以来、私は何をやっていたのか。マスコミや野党が反日外交を展開せよというから、やってきたのではないのか。「まるで喜劇じゃないの」と朴大統領は愚痴りたくなるだろう。そう思わせる歌である。

歌詞の最後「迷い道くねくね」は、偶然とはいえ、ドキリとするほどの着地である。

こうなると、日本人は優しい。朴大統領への同情が集まると思う。ウォン高などから韓国経済が悪化していることもあって、「歴史問題を棚上げするなら、経済協力もすべきだ」という声が官民で起こって来よう。さしづめ日韓議員連盟の議員など、すぐに連携、支援に動こうとするだろう。

だが、ここが肝心である。朴大統領の苦境を「ざまあみろ」「いい気味だ」などと思うのは品がない。だが、甘い態度も禁物である。

「甘い態度に出れば、韓国は必ずたかってくる。恩を仇で返す国だ」とは、長年、朝鮮半島の歴史や政治を研究してきた筑波大学大学院教授の古田博司氏の主張だ。古田氏は「韓国に対しては『助けない、教えない、関わらない』を『非韓三原則』にして日本への甘えを断ち切ることが肝要」と説く。

私もそう思う。安全保障は日米を基軸にし、韓国とは是々非々でいけばよい。貿易、経済交流を続けることに依存はないが、過去に迷惑をかけたからなどと変な贖罪意識を持って、こちらが損するような技術・金融支援は一切、行わない姿勢が大切だ。「双方が納得いくギブ&テイクの取引を淡々と進めることだ」と古田氏は説いている。


編集部より:この記事は井本省吾氏のブログ「鎌倉橋残日録 ~ 井本省吾のOB記者日誌」2015年5月13日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった井本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は鎌倉橋残日録 ~ 井本省吾のOB記者日誌をご覧ください。


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