人類と「麻薬」との奇妙な関係

2015年05月20日 23:06

モルヒネ(morphine)は、自然界で作られる麻薬物質で、アヘンに含まれるアルカロイドだ。19世紀から戦場での鎮痛剤として利用され始め、史上初めての「近代戦」といわれる米国の南北戦争(1861~1865)でも積極的に使用された。現在でも、がんの疼痛治療に活用され、モルヒネの依存性はほとんどない、とされている。


モルヒネは、芥子の実のアヘン(opium)から抽出される。アヘンには10%のモルヒネ成分が含まれ、自然界が作り出した複雑な化合物で、人工的に成分を合成して作り出すのは難しいとされていた。表題の記事では、米国のカリフォルニア大学バークレー校の研究者らが、酵母からモルヒネやこれもアヘンから抽出されるコデイン(codeine)などの麻薬物質を合成させる方法を開発した、と書いている。この酵母は遺伝子操作され、現状では麻薬になる一歩手前の物質「S-レチクリン」を合成することができるらしい。

この報告を受け、同じような遺伝子改変の酵母を使った麻薬物質の合成が、違法に行われる可能性を危惧する声も高まっているようだ。人類と麻薬は長いつきあいがある。医療的なメリットもあれば、誤った使い方から生じる依存性から社会的なリスクも看過できない。従来の麻薬を取り締まる法規制や監視体制に、さらに新たな脅威が加わったのかもしれない。

一方、麻薬のブラックマーケットは依然として存在し、反社会的な組織の資金源になっている。南米のコロンビアは「麻薬戦争(War on Drugs)」の最前線だ。コロンビアやメキシコなどからの麻薬が米国へ流入し、大きな社会的な不安要素になっている。

この「POPULAR SCIENCE」の記事では、コロンビア政府が麻薬組織に打撃を与えるため、アヘンと同じ植物性の麻薬物質であるコカイン(cocaine)を抽出するコカノキ(Erythroxylum coca)に対し、発がん性の高い除草剤を散布していたのを止め、代わりにコカノキの葉っぱをムシャムシャ食べる蛾の幼虫を利用しようとしている、と書いている。生態系のバランスへの影響が懸念されるが、発がん性除草剤を使うよりずっと良い、という選択らしい。研究者は、コカノキの葉っぱだけを食べる蛾を作り出そうとしているようだが、人類は同じような失敗をあちこちで起こしているのであまり期待できないだろう。

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コカノキの葉っぱを食べることが期待される蛾の幼虫の一種。Photo:Don Sinclair

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An enzyme-coupled biosensor enables (S)-reticuline production in yeast from glucose


モバゲーのDeNAが「ロボットタクシー」事業に進出!
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この記事で合弁会社を一緒に作るとされるロボットベンチャー「ZMP」は、これまでハードからソフトまで意欲的にロボット関係の技術開発を行ってきた。「ZMP」とは、ロボット制御工学の用語で「ゼロモーメントポイント」のことだ。とりわけ、二足歩行ロボットで足裏の適正な重心位置を意味する。HONDAのASIMOの二足歩行もZMPを基礎的な理論として採用しているようだ。この記事では、自動運転技術を使った「ロボットタクシー」の構想を実現するため、ディー・エヌ・エーがZMPとタッグを組む、と書いている。インターネットとロボットを合体させるビジネスモデル、というわけだ。
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ZMPが提案する自動運転の開発パッケージの例

Watch 100 Years Of Filipina Beauty In A Little Over A Minute
BuzzFeeD
先日、ボクシングの一大イベントが開かれ、フィリピンの英雄、マニー・パッキャオの名前を知った人も少なくないかもしれない。フェルディナンド・マゼランがフィリピンで戦死したのは1521年のことだ。以後、フィリピンはスペインと米国の植民地を経て独立し、世界中に労働力を供給するようになっている。米国へ移民したフィリピン人も多く、アジア系では中国系に次いで二位、約400万人のフィリピン系米国人がいるらしい。この記事では、100年間のフィリピン女性のファッションやメイクを大急ぎで再現。なかなか興味深い変遷になっている。

Animal Sex: How Sloths Do It
livescience
南米のナマケモノは、新大陸の南米だけに住む生物で大きい分類では「有毛目(Pilosa)」に属する。アリクイも同じ有毛目の仲間だ。樹上で暮らすナマケモノは、一見すると動作の緩慢なサルのようだが、じつはアリクイと近いというのは意外だ。日本名「ナマケモノ」は英名でも「Sloth」で怠惰とか無精という意味。この記事は、そのナマケモノがどうやってセックスするのかを紹介している。メスのナマケモノはオスをけたたましい叫び声で誘うらしい。交尾の時間は数分。野生のナマケモノの交尾はほとんど観察されていないらしいが、メスがオスを選ぶようだ。オスはけっこう絶倫で、交尾を数分間隔で繰り返す。ナマケモノには、大きく分けてミユビナマケモノとフタユビナマケモノの二種類がいる。それぞれ生態や生殖の方法、ペアリングも異なっているそうだ。

Twitter と Google が提携:ツイートを検索結果に反映させる、新たな契約に両者がサインした!
Agile Cat – in the cloud
日本ではTwitterは一定の影響力を保持し続けているが、世界的にはそうでもない。そのため、Twitterには焦燥感があるといわれる。この記事によれば、Googleという「巨人」と再度、パートナーシップを結び直し、Twitterがテコ入れを始めたらしい。一方のGoogleにしても新たなサービスを模索中。Facebookへの対抗策という意味合いもあるようだ。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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