「お母さんがボケた!」その時、頼れる人はいますか?

2015年05月21日 21:30

本日は都議会の委員会視察で、石川県金沢市に来ています。
初めて東北新幹線に乗ったな…。


前にどこかで書いた気がしますが、都議会では所属委員会毎に年1回の「管外視察」があり、委員会所属メンバー全員で東京都を離れて全国の先進的な取り組みを視察に行く慣例があります。

まあつまり、公費による出張です。昨年は日帰りでしたが、今年の厚生委員会は一泊二日。

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本日の目的地は「医療法人敦賀温泉病院」。

「…委員会視察で温泉だと?!」

という語弊を前回で招くネーミングの視察先ですが、まだ『認知症』という言葉が世間一般に広がるはるか前からその啓発や先進的な対応に取り組んできた医療機関です。

認知症アウトリーチ専門チーム

なる組織を全国に先駆けて結成し、訪問診療を積極的に行うことで認知症の早期発見、家族を含めた症状緩和への対応策を考案してきたそうです。

しかし、院長や病院の取組みを聞いていてつくづく思ったのは、認知症の治療、特に早期発見というのは医療分野だけでなく地域コミュニティの再生・構築に関わる課題だということです。

これは別の認知症専門家の方に聞いたお話ですが、認知症はその対象者単独からの聞き取りだけでは発見が難しい時があると。

「昨日、何を食べましたか?」
「ハンバーグです!」
「ここまでどうやってきましたか?」
「バスを乗り換えて、最後は歩いてきました!」

このように瞬時にハキハキと受け答えができる方でも、実はそれがまったくの記憶違いであるケースがあります
行動を共にしている家族や地域の友人がいれば、

「いえ、昨日の夕飯は焼き魚でしたよ」

という情報を得ること、初めて認知症の症状を確認できるのですが、当事者からのヒアリングだけでは「正しいか否か」を判別できないわけです。

この点は他の厚生委員の議員からも、

「家族と同居している場合は良いが、単独生活をしている高齢者の方の場合、訪問診療でどのように認知症の具合を把握・早期発見するのか?」

という質問が出まして、

「地域住民を巻き込み、互いにサポーターにしてしまう」
「地域組織が出来上がってしまえば、お金も一銭もかからない」

とのことでしたが、これは都会においては極めて難しい解決策ではないかと思われます。

「地域のコミュニティ再生」

は多くの政治家が公約に掲げ、行政も取り組んでいるところですが、なかなかその解決の糸口は見えておりません。

既存の町会や自治会は高齢化・加入率の低下が進み、集合住宅に住む単身世帯にはほとんどリーチできていないのが現状です。

この層が一気に高齢化し、認知症が発症したとき、果たして東京都はどうなってしまうのでしょうか…。

「世代間交流」

というキーワードは様々な組織が口に出します。
ですが、若い世代から見れば「年配の方の話など聞きたくもない!」という方が多いのが現状ではないでしょうか。

既存の自治会や町内会にお金を出すだけでは、今より下の世代を取り込むことが極めて難しい状況の中では、残念ながらこの敦賀の成功事例をそのまま活用することはできません…

厚生委員会の範疇ではありませんが、この視察を活かすためには

比較的都会で、地域コミュニティの活性化に成功した事例

を学び、東京で実行する必要性があると感じました。
これ、本当に難題なんですよね…何かアイディアがある方、ぜひとも教えてくださいませ。

明日も引き続き、石川・福井で視察です。
それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

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おときた 駿
東京都議会議員(北区選出)

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