都構想否決について3ー 大東亜戦争開戦との類似点

2015年05月23日 12:00

前回(【都構想否決についての感想2】- 議論かケンカか、抗議か圧力か?)の続きです。

日本の社会問題を考えるうえで絶対に避けることができないのは「大東亜戦争開戦」です。それがすべての原点と言えるでしょう。


■大東亜戦争時のウソ(デマ)

当時の状況を考えれば、すでに日中戦争を始めている状態で、国民が一致団結しなければどうにもならない。戦争とはそういう状態であるので、国民に一致団結を呼びかけるのは間違いとは言い難い。
そこで多くのウソがまかり通っていった。
このウソが蔓延したことは大本営だけが悪いわけではない。むしろ国民全員が言っていて、訂正できない空気になったことが問題でしょう。

誰かが言ったウソは、尾ひれがついてもっと大きなウソになって返ってきた。訂正することは、国民が一致団結せねばどうにもならない状況において、不合理となってしまった。

最も影響を与えたウソの内容は、「日本は強い(勝てる)」と、「鬼畜米英(開戦時ではないですが……)は恐ろしい」でした。

今となってはその恐怖は理解できないかもしれないけれど、集団自決は、「自決せよと命令された」から起きたのではなく、「鬼畜米英が来れば、死ぬより恐ろしい地獄が待っている」という、ウソによって作られた恐怖から起きた悲劇です。

大本営が「玉砕」の方針を決定したのも、「今更、日本は負けてるし、最初から分かってました」とは言えない。尾ひれのついたウソを大本営ですら覆せない空気になっていたから……。

■戦争はウソ(デマ)に騙される人が多いから起きる

古今東西、どんな独裁者も、政治家も、兵士が納得しない戦争を指示すれば、その兵士たちにクーデターを起こされ、無残に殺されることを知っている。つまり、兵士(≒国民)に「戦争もやむなし」の空気がなければ、ヒットラーですら戦争なんて踏み切れないのです。

しかし、ヒットラーは国民世論を演説だけで「戦争やむなし」の方向に持っていくことができた天才でした。

ルーズベルトは真珠湾攻撃を知っていてわざとやられた、という陰謀説(真相は分からないが、悩んでるうちに始まったんじゃないの?)がでるのは、ルーズベルトは戦争に参加したかったのは事実ですけれど、ルーズベルトにはヒットラーほどの能力がなく、「戦争もやむなし」という空気を作ることができなかったからです。

つまり、(防衛戦以外で)戦争になるかどうかは、憲法9条があるかどうかではない。戦争を避けたければ、「国民がウソに騙されない知性を持つこと」が、最も重要な問題で、憲法9条があろうとなかろうと、自衛隊だろうが、国防軍だろうが関係ないのです。

■反対派が訴えた無理な甘言

反対派は無理なバラマキを約束しました。(一方で、財政再建も約束しましたが、これは守られないでしょう)大阪が、日本が、このままでは衰退するのは明らかです。つまり、バラマキは続かないことは確定しています。それでも、バラマキを続けることを決めたわけです。

国力の差から考えれば負けることは確定的だった大東亜戦争でも、最初は日本が勝っていました。同じように、大阪市のバラマキもしばらくは続けることが可能でしょう。

大東亜戦争開戦時は、「なかなか開戦に踏み切らない東條英機は腰抜け」というような国民が多くいました。真珠湾攻撃の成功を聞いた国民の多くは、日の丸を掲揚し、万歳し、赤飯を炊いて喜びました。今回の否決は、それと同じような空気を私は感じます。

今回の住民投票で、バラマキを続けることを選ぶというのは、当面は良くても、敗戦のような悲惨な未来を選ぶということですが、若者の中にも、バラマキを選んだ人が大勢いたのは、本当に残念な結果でした。

残念なことに、今回の住民投票で、日ごろ「憲法9条を守れ」という人ほど、ウソ・デマ・甘言に対する耐性が弱く集団で暴走することが、改めて白日の下に晒された結果でもある、と私は思っています。

実に皮肉で恐ろしい結果だと思う。

彼らに、「橋下徹」に変わる、「もっと解りやすい強大な敵」を与えたら、戦争は避けられないのではないでしょうか。

株式会社ジーワンシステム
生島 勘富
Twitter:@kantomi
Mail:info@g1sys.co.jp

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