学生・若者の感性は、時代を映す鏡である。とすれば…

本日はとある紹介で「学生団体ALSA」の主催する政策提言会に、審査委員としてお招きいただく機会に恵まれました。


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The Asian Law Students’ Association
http://www.alsa-jp.net/about/index.html

いくつかのチームが競い合い、決勝2チームの政策提言を聞いて講評するものでしたが、優勝したのは「財政再建とアベノミクス」について政策を立案したチーム。

この内容が非常に興味深くてですね。
現状の経済政策では財政再建ができない!という前提の元で提示されたのが、「最後の雇用者」と題された政策。(なかなかセンスが効いた政策名です)

簡単に言うと、雇用が生み出されない・若者の失業率への問題意識を軸に、政府の完全主導によって失業率をゼロにする政策でして、

・非自発的失業者は、すべて政府がいったん雇用する
・地方自治体などに仕事を創出させ、その業務に失業者をマッチングさせる
・好景気になってくれば、民間にその労働力を柔軟に売り渡す

というものです。
うーん、とっても大きな政府!

細かいところを突っ込みだせばキリがないのですが、興味深いのはこの政策が多くの学生の支持を得てグランプリになったことです。(優勝は審査委員、参加学生たちの投票によって決まります)

そして空気を読まずに参加した打ち上げでこの政策立案チームのメンバーたちに意見を聞くと、

「誰もがみな、やりがいがあって創造的・刺激的な仕事をしたいわけじゃない」
「必要最低限のことを粛々とやって、最低限の生活をしていきたい人もいる」
「ぶっちゃけ自分も、のんびり仕事して暮らしていきたいんですよ!」

という意見が出てきて、なかなかに衝撃を受けました。
今の学生たちの希望就職先トップが「公務員」であることや、共産党が若い人たちの間で人気があることと、あながち無関係とも思えません。

私個人からすると、

「政府や国に、過剰な期待を抱きすぎているのではないか?」

と感じることは確かです。
お金があれば国が無限の雇用を創出できるわけではないし、それは歴史や今の地方自治体の疲弊が証明しています。

それでも今の若い人たちが

「もう自分たちの力では、なんともならん!」
「国や政府が、強制的になんとかしてくれ!」

と感じてしまう理由は奈辺にあるのか。
そして、この状態は果たして健全と言えるのかどうか。

この傾向を私たちは、重く受け止めて考える必要があるように感じました。

「国や政府から与えられたことにとらわれ過ぎている。もっと若者らしく自由で、自発的な発想でチャレンジして欲しい」

というのは、他の審査委員の講評の言葉。
私も同じ気持ちではあるものの、それは若者に過剰な期待と、責任転嫁をしているだけなのかもしれないな…なんて思いつつ。

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色々書きましたが、貴重な休日を何日もコンテストに費やして、このような政策提言会にこれほど多くの学生が集まることに、私は大いに可能性と未来を感じています。

若者・学生の感性は、時代を映す鏡。

今日の政策提言を受けて、私も若者の雇用や仕事に対する意識について理解を深め、彼らの力がもっとも発揮できる労働市場について考察を進めていきたいと思います。

取り留めがありませんが、こんなところで。
学生団体ALSAの皆さま、ありがとうございました&お疲れ様でした!

それでは、また明日

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

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