不満・不信こそ躍進のチャンス…スウェーデン海賊党の栄光と挫折

スウェーデン視察二日目にして最終日。
本日は本家海賊党の創始者であるリカルド・ファルクヴィンゲ氏らとお会いしました。


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欧州視察についての過去ログはこちらから。
http://otokitashun.com/tag/2015%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E8%A6%96%E5%AF%9F/

ドイツ海賊党との会談の記事でも書きましたが、数年前に旋風を撒き越した彼らも、現在の支持率は低迷。
スウェーデンにおいては地方議会・国会共に議席を獲得できていません。

創設者やアントン現党首(23歳!)に、

「現在の政党政治・間接民主主義への信頼が高いスウェーデンでは、海賊党の主張が支持率を広げていくことは難しいのではないか?」

という懸念を尋ねると、ずばりその通りであるとの回答がありました。
そもそもドイツ海賊党と異なり、スウェーデン海賊党は

「直接民主主義には高い関心があるが、我々の主たるミッションはそこではない」

とのこと。
いま彼らの主な政治的主張は

「政治における透明性の担保」

になっているそうです。

では今現在、世界でももっとも海賊党が支持を集めている国がどこかというと、なんとアイスランド。2012年に結党されたばかりの海賊党は瞬く間に支持を集め、2013年の国政選挙では3議席を獲得。

なんと現在の支持率は30パーセント以上にもなり、次回の総選挙では第二党になる可能性も指摘されているそうです。

「海賊党」がアイスランドで支持率ナンバーワンに、一体何が起こっているのか?
http://gigazine.net/news/20150320-icelandic-pirate-party/

その要因は彼らがいうように透明度の高い党運営や政治的主張もありますが、やはりその最大の要因は社会不安と政治不信にあると言えます。

アイスランドは2000年代末期に中央銀行が実質的に破綻し、2012年にも金融危機に見舞われるなど、経済状態が不安定な状況が続きました。

その中で既存政党への不満が頂点に達していたことが、いわゆる「新党」への期待を誘発したことが推察されます。

スウェーデンのように比較的政情が安定し、人々の政府・政党への信頼が極めて高い状態では、海賊党の目新しさ・主張は受け入れられる余地が少ないのかもしれません。

反ACTA法という「シングルイシュー」で旋風を巻き起こし、一時期は5万人の党員を誇ったスウェーデン海賊党も、今の党員は7500名ほど。

しかし、政府への信頼があまりにも厚いということは、「お任せ民主主義」「監視社会」にもつながる可能性もあります。
スウェーデンにおいては、彼らはそのアンチテーゼとして産まれた存在なのかもしれません。

翻って、我が国ではどうでしょうか。

事実上の自民党一極集中による政治不信と低投票率。
直接民主主義や新しい政治システムが入りこむ余地は大いにあるように感じます。

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ドイツそしてスウェーデンにおける海賊党の挑戦から、日本における人々の政治参加の方法を模索していきたいと思います。

現在エストニアへの洋上でまもなくネット環境がなくなるため、簡潔で失礼ながら本日はこんなところで。次回はエストニアの電子政府・電子投票レポート予定!

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

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