大前研一氏はなぜ熱海にオーベルジュを作ったのか? --- 内藤 忍

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熱海駅から車で5分ほど。伊豆山にあるオーベルジュ「セカイエ」に行ってきました。現地に行って初めて知った事実。それは、このオーベルジュのオーナーが、あの大前研一氏だったことです。


大前氏が所有する物件を、カトープレジャーグループに運営委託して経営しているようです。元々は日本ビクターの保養所だった建物を改装して4月にオープンしました。改装と言っても、内装は完全に新しくなっており、古さはまったく感じません。

写真は夕食のお食事として出された、まぐろの漬けですが、土鍋で炊かれた魚沼産コシヒカリと香の物を合わせて頂くと、お箸が止まらない美味しさでした。食事は完全な和食ですが、新鮮な食材と繊細な味付けで、満足できる内容でした。また、日本酒の品揃えが豊富ですが、これはオーナーの好みでしょうか。

東京から車で行けば、2時間足らず。アクセスが極めて良いのも、高ポイントです。そしてベランダから見える熱海の海の絶景を見ながら入る、露天風呂。源泉かけ流しで、お湯加減も良くこれも最高です。

大前研一氏とオーベルジュ経営というのは、ミスマッチな印象を受けます。なぜ、このような事業を始めたのでしょうか。資本効率が悪く、収益性の高いビジネスではなく、お金持ちの道楽という訳でも無いようです。室内に置いてあった雑誌「プレジデント」に、そのヒントを見たような気がしました。

大前氏が代表を務める株式会社ビジネス・ブレイクスルーとプレジデント社は、このセカイエで定期的に、グローバル経営セミナーを開催するようです。大前氏と一緒にこのオーベルジュに宿泊し、1泊2日で経営者を招いて共に語り合う。オーベルジュにしては珍しく、部屋には大きな机があり、40名収容の研修室や、カラオケルームもあるそうです。

つまり、このセカイエは、バケーションでやってくる個人宿泊客だけではなく、企業の幹部などを集めた研修施設としての役割も担っているのです。

私が2月にオープンした「SHINOBY`S BAR 銀座」が、個人投資家が集まるコミュニティという「インフラ」を目指しているように、自らの経営理論を伝えるための「インフラ」として、熱海の地に自分の理想の拠点を作った。そう考えれば、納得できます。

立地、設備、食事、温泉、ホスピタリティ・・・すべての要素が高レベルで融合した、質の高いリゾート。研修で来るよりは、オフの時間を過ごすために、また来たいと思いました。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年5月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。