IOCはFIFAスキャンダルを他山の石とする

IOC(国際オリンピック委員会)は、開催へ立候補した都市をIOC委員が自由に往き来することを禁止している。これは2002年に発覚し、IOC委員6人が追放処分されたいわゆる「ソルトレークシティー招致スキャンダル」が原因となり、IOCが決めたことだ。ただ、開催候補都市へ委員が行くのにいちいちIOCにお伺いを立てなければならない不自由さなどから、そろそろ緩和してもいいのでは、という声も聞こえてくる。


しかし、ここのところのFIFAのスキャンダルが影響し、IOCも李下に冠を正さずといった感じで身動きが取れない状態だ。FIFAと言えば、IOC委員でもあったFIFA前会長のジョアン・アヴェランジェ氏は、IOCから不正な金銭受領の疑惑で倫理規定違反として処分される寸前に辞表を提出してからくも逃げ切っている。

これは2011年12月のことで、このときIOCは、贈収賄を認めたアフリカ・サッカー連盟(CAF)会長でカメルーンのIOC委員イッサ・ハヤトウ氏を戒告処分、国際陸連会長でセネガルのIOC委員ラミン・ディアク氏を厳重注意している。両氏が金銭を受領したときにはまだIOCの委員ではなかったが、IOCは過去の疑惑を追及して処分したわけだ。

IOCは、スポーツに関する内部通報窓口を設置したり、国際刑事警察機構(ICPO)などと連携したりして不正防止を強化している。しかし、アヴェランジェ氏疑惑など、FIFAという一大スポーツ機構の委員でも獅子身中の虫となり得る。IOCは、常に腐敗分子が内部へ侵入する危険性にさらされている、と言えよう。

the guardian
Fifa can learn from IOC’s ‘painful experience’, says Thomas Bach


The advantage of being in a union is crystal clear in this chart
BUSINESS INSIDER
日本における労働組合は、その実質的な役割を問われているせいか、1970年代の30%台半ば以降、組織化の割合はどんどん低下し続けている。現状の組織率は2割にも満たない、とも言われ、とりわけ民間企業での組織化が減少しているらしい。ただ、組織率の低下の背景には、未組織労働者数の増大もあり、女性の社会進出と労組加入がともなっていない、という事情もあるようだ。労使協調が強調されるあまり労組の存在意義も低下しているのも事実だろうが、この記事にある通り、労組に加入した労働者のほうが賃金の上昇は明らかに大きい。これは米国の実態調査だが、基本的な実情は日本でも同じだろう。
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US Economic Outlook:Fed on track to raise rates in September, Aprile 2015より。

ソニーも認めるアップルの新音楽配信サービス、日本でもすぐ始まりそう!
GIZMODO
これ、既報の通り、アップルの新サービスだ。日本円で月額1200円程度で、音楽が聴き放題になる配信サービス。3000万曲以上が対象ということだが、日経はアップル関係の記事では先走り気味だが、日本でのサービスもすぐに始まるかのように書いている。JASRACの参入障壁の高い日本で実現するのか、また日本における音楽視聴のスタイルがこれで変わるのか、ちょっと要注目だ。

セクシーな服を着るアラフォー女性「美魔女」という現象の発見は、より自由に人生を楽しみたいという女性の欲望(インサイト)の発見です。
坂井直樹のデザインの深読み
この「インサイトをえぐる」という表現、ネット上では「インサイドをえぐる」権藤博投手と比べて揶揄されているようだ。しかし「インサイト」と言えば、HONDAのハイブリッドカーを想起する人も多いかもしれない。こっちのほうは不人気で復活しては消えていった車種。広告業界では、商品が売れない時代に消費者の深層心理を掘り起こす戦術に関係して使われる用語らしい。人間がものを買うのは、必ずしも理性的に判断して行動しているわけではない。その「潜在的な欲望」つまり「インサイト」を刺激して掘り起こすことで、購買行動へ結びつけるんだそうだ。

芦田愛菜ちゃんが「インサイトをえぐられる。」と言っているテレビCM。

Viagra could be key to preventing the spread of malaria
inhabitat
日本に住んでいると実感しないが、マラリアは依然として人類の大敵であり続けている。第二次世界大戦まで、熱帯地方での戦闘で各国の軍隊はマラリアに悩まされた。南米原産のキナ(機那)の樹皮に含まれるアルカロイド、キニーネはマラリアの特効薬として使われていたが、温帯では生育しないので英国やドイツなどの各国はこれを奪い合った。ちなみにキナは繁殖力が強く、生態系を破壊する侵略的外来種の一種だ。この記事では、もともと高血圧の治療薬として開発され、その後、ED(勃起不全症)に使われて有名になったバイアグラが、マラリアに効果があるのではという研究を紹介している。キニーネは、マラリア原虫がヒトの血液中で生きていくために必須な酵素を阻害してマラリアを防ぐが、バイアグラも赤血球をマラリア原虫を防ぐ効果があるらしい。バイアグラは、マラリア原虫を駆逐するための膵臓の正常な機能を高めるからだそうだ。


アゴラ編集部:石田 雅彦