グラーツで「無差別殺傷事件」発生 --- 長谷川 良

2015年06月22日 11:35

オーストリアの第2の都市、同国南部のグラーツ市(Graz)で20日正午過ぎ、26歳の男性がゲレンデヴァーゲンに乗って時速100キロを超える猛スピードで歩行者天国を走り、通行人を轢き殺したり、ナイフで襲いかかるという無差別殺傷事件が発生した。グラーツ市警察当局の発表によると、少なくとも3人が死亡(4歳の男子も含む)、34人が重軽傷を負った。グラーツ市はシュタイアーマルク州の州都で人口約25万人の都市。

グラーツ市警察当局が公表したところによると、犯人はトラック運転手で家庭を持ち、妻と2人の子供がいる。過激な思想、宗教、政治とは関係なく、家庭生活で精神的葛藤があったという。具体的には、先月28日、家庭内暴力が理由で家から追放され、妻とは別居中という。メディア報道によれば、妻は子供を連れて既に母国ボスニア・ヘルツエゴビナに帰国したという。

偶然にも事件の目撃者となったSiegfried Nagl 市長は、「運転手は意図的に通行人にぶつかってきた。一人の女性がはねとばされるのを目撃した」と証言。別の目撃者によると、犯人は車から飛び降り、スーパーの前にいた男性をナイフで刺したという。同事件では、4機の救援ヘリコプター、83台の救急車、16人の医者を含む110人の救助員が動員され、負傷者の救援に当たった。

事件が報じられると、グラーツ市出身のフィッシャー大統領は、「深い衝撃を受けた」と述べ、ファイマン首相は、「驚いた。犠牲者に哀悼の意を表明する」と語っている。

犯人の犯行動機など事件の詳細な背景については、警察側の捜査結果を待たなければならない。いずれにしても、週末の真昼、無差別殺傷事件が起きたことに、オーストリア国民は大きな衝撃を受けている。

ちなみに、グラーツ市の無差別殺傷事件の内容は、2008年6月8日で起きた秋葉原無差別殺傷事件と驚くほど酷似している。犯人はいずれも20代の男性であり、歩行者天国を車で走り、手にナイフを持って通行人を襲っている。以下の表を参考にしてほしい。

    <秋葉原無差別殺傷事件>
 事件発生日・・2008年6月8日(日曜日)正午過ぎ
 被害・・7人が死亡、10人が重軽傷
 犯人・・25歳の男性(独身)
 犯行状況・・ナイフで通行人襲撃
 犯行の車・・2トンのトラック
 犯行時間・・5分から10分
 犯行後・・抵抗後逮捕
 犯行当日・・歩行者天国で買物客や観光客で一杯
 裁判・・犯行時、完全責任能力を有していたとして死刑判決。現在拘置所で収監

    <グラーツ無差別殺傷事件>
 事件発生日・・2015年6月20日(土曜日)正午過ぎ
 被害・・3人死亡、34人が重軽傷
 犯人・・26歳の男性、トラック運転手、妻と2人の子供
 犯行状況・・ナイフで通行人を襲撃
 犯行の車・・ゲレンデヴァ―ゲン
 犯行時間・・約5分
 犯行後・・抵抗なく逮捕
 犯行当日・・歩行者天国で市内は買物客で一杯
 裁判・・?


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2015年6月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。


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