仕事を成功させるには人間関係の対立は必要である

2015年06月23日 05:10
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「できるって言ったのはオマエじゃないか!」容赦ない上司の叱責が、烈火のごとく浴びせられる。数日前、上司から依頼された仕事に「かしこまりました」、そう言って引き受けたものの、期限までに仕上がらなかったのだ。落ち込み、やり場もなく抑え付けられた憤りはストレスへと変わっていった。

ビジネスパーソンであれば、このような経験をしたことは一度や二度はあるでしょう。仕事にはストレスが付きものです。厚生労働省の「労働者健康状況調査」(2014)では、調査対象の全労働者のうち6割以上が「仕事において強い不安、悩み、ストレスがある」と答えています。

佐藤康行氏は、北海道から15歳で単身上京し、コック見習いを経て営業マンに転身してからは宝飾品のセールスで日本一、教育関連の営業で世界一の実績を打ち立てて、レストラン経営で70店舗を展開するまでに至っています。その分、人間関係の大切さや難しさを経験したといいます。今回は、職場の人間関係の対応方法について伺ってみました。

●部下は上司の指示を安請け合いする

—職場の人間関係のメカニズムについて教えてください。

佐藤康行氏(以下、佐藤) 職場には「タテの関係」と「ヨコの関係」があります。上司などからの指示で仕事をすることが「タテの関係」。同僚や部下、部門を超えたコミュニケーションが「ヨコの関係」です。職場の人間関係のもつれの中で代表的なものは、組織におけるタテの関係、つまり上司部下の人間関係から起こる対立でしょう。

冒頭のケースであれば「業務指示を受ける」なかで、仕事の知識不足や力量不足で遂行できないことが起因として挙げられます。「わかりました」「やります」と言って結果が伴わないから対立に発生したわけです。

部下には「できないことでも挑戦する」「上司の依頼は請けなくてはいけない」という意識があります。上司に「君は忙しいようだね?」「君には難しいかも知れないけどできるかな?」と言われて「それはできません!」とはなかなか言えないものです。結果的に「安請け合い」をしてしまいます。安請け合いをしても、周囲の力を借りるなどをして仕上げれば問題はありませんが、仕上がらない場合は人間関係の悪化に影響を及ぼす可能性があります。

●仕事には摩擦がつきもの

—仕事で対立を起こさない方法などあるのでしょうか?

佐藤 まず重要な仕事ほど人間関係が複雑で困難な仕事であることを理解しなければいけません。重要な仕事であるほど摩擦が生じる。例えるなら、総理大臣ほど最も摩擦が多い仕事はないと言えるでしょう。そして、人間関係のストレスを感じた際に「自分の能力の範囲内で仕事をして出世をあきらめるか」「重要な仕事に挑戦して出世を目指すのか」、ビジネスパーソンとしての生き方を考えなくてはいけません。

ここに売れないミュージシャンがいたとします。何度も新曲をリリースしてもヒットには恵まれません。「まだ時代が追いついていない」と不満を言う人は同じことを繰り返す可能性が高いと思います。一方で「理解される曲をつくろう」と思えば進歩していくものです。これは人間関係において、相手を変えることを求めずに自らが変わることと同じです。

また自分に課せられた仕事が難題であるほど自分にとってはチャンスが与えられたと思えば良いのです。人間関係に悩むことで生き方や考え方を深める機会にはならないだろうか。仕事をして給料を稼ぐことも大切ですが良い人間関係を構築することも同じくらい大切なはずです。これは、私がレストランを70店舗まで拡大し全国展開した経営者としての経験があるから余計に理解できることです。社長も弱音を吐きたいことがありますから。

—ありがとうございました。

人は人生の中の大半を仕事に費やします。あなたも身のまわりの人間関係をいま一度振り返ってみては如何だろうか?

尾藤克之
経営コンサルタント

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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