センセイたちのいちばんの負担 ―5分ですまない生徒指導よりもたいへんなこと―

2015年07月28日 22:13

ほんとうの負担は対子ども・保護者ではない
天野信夫さんの記事「昔の生徒指導は5分で済みました」を読んで、考えさせられた。幸い、私は、生徒指導であんまり苦労した覚えが、ない。(たしかに深刻な事案を抱えている教員は、いる)

それよりも、朝日新聞の記事「苦情対応や報告書、先生の7割「負担」文科省が初調査」が実態を表しているような気がする。

負担の1、2位は「身内の仕事」
栄えある第1位は「国や教育委員会の調査対応」で、教諭の9割近くが「負担感がある」と答えている。第2位は「研修会の事前リポートや報告書作成」で、「保護者や地域からの要望、苦情対応」は第3位となっている。おそらく生徒指導はたいへんだが、これはどんな業界でも言えることで、「お客様」の目線が、昔よりも厳しくなったということなのだ。

授業より書類づくりが仕事だよ
それよりも第1位の、お役所的「問題が起きれば報告書」が、負担なのである。たとえば、子どもがちょっとしたケガをして病院にかかるとA4で2枚程度の報告書を書かなくてはならなない。給食で髪の毛が入ってたというと異物混入ということでたいへんな騒ぎになる。学力調査の膨大な採点・入力もあれば、いじめ調査もあれば、体罰調査、体力テストの調査・入力もある。少しでも気になる子どもは数枚のカルテを作成。保護者アンケートの集計。年がら年中、アンケート用紙の数字を数え、エクセルに入力していることになる。

学校評議会や学校運営協議会(コミュニティスクール)制度、PTAも形骸化し、仕事のための仕事と化し、そのための準備が膨大になっている。

とにかく研修が多いよ
2位の「研修会の事前リポートや報告書作成」であるが、これも問題が起これば、研修をすればいいというお役所仕事である。不祥事が起これば不祥事防止研修。指導力不足を指摘されれば、指導力向上研修となる。
こういった研修によって、勤務時間に事務仕事をすることは不可能になり、「報告書」はすべてサービス残業で作られる。

そして、授業研修がやたら多いのだが、これも1コマやるだけならいいのだが、指導案という台本を書く。だれも見返さないのだが、やたら体裁にこだわるので、1コマの授業のために作成に10時間以上、その内容の検討にも数時間という行為を毎月行っている。

これに運動会や式典などの行事が重なる。

おわかりだろうか。この時点で。80時間くらいのサービス残業はとうに上回るのだ。

そしてキャパ・オーバーに
さて、ここに3位の「保護者からの執拗なクレーム」が加わったとしよう。それこそ、保護者と良好な人間関係を築けていれば、問題はないものの、そんなコミュニケートしている時間は、ない。
キャパ・オーバーになる教員も多い。しかし、報告書とちがって保護者対応は工夫のしようがある。1位と2位はなかなか作業時間の短縮が難しいのである。

そして、これを読んでいて、疑問に思った方も多いのではないだろうか。

いつ授業の準備をしているのか、と。

中沢 良平(小学校教諭)

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