国民の健康を守るための課税とは

2015年07月30日 00:59

国民の健康維持は医療費など財政的に大きな影響があるため、国家としても積極的に推進すべき問題だが、行政にもさまざまな権益や縄張りがあり、国民の健康に悪いとわかっていても、なかなかなくすことのできないものもある。喫煙が健康に悪い影響を与えることは、すでに多種多様なエビデンスが出て自明だが、たばこによる税収は2兆円とも言われ、財務省と厚労省の綱引きになって常に議論になる。たばこの税率を上げれば税収も確保され、値上げで喫煙率が下がることも期待されるが、これについて財務省はなかなか腰が重い。

一方、日本の喫煙率は、2014年に初めて20%を下回り、19.7%になった。これはJTの「全国たばこ喫煙者率調査」によるもの。ただ、こうした調査は主体が、たばこ産業そのものでバイアスがかかるという批判があり、またアンケートに真実を記入するかどうか疑わしいという交絡因子もある。たとえば、女性は喫煙していると書かなかったり本数を少なめに申告するというようなことだ。一方、こちらの厚労省による「平成25年 国民健康・栄養調査報告」では喫煙率は19.3%となっている。JTの調査とほぼ同じだ。

また、所得と健康の国民の意識についての関係も重要で、低所得になるほど喫煙率が上がり、肥満が多く生活が不規則になる傾向がある。たとえば神奈川県内の東急田園都市線沿線における男性の寿命が特異的に長い理由が高度成長期に首都圏の大企業に勤めた高学歴で高所得の男性が多いからでは、という説などもあるように、健康意識や生活習慣の改善などに対する各所得層のリテラシーの違いは大きい。

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平成22年 国民健康・栄養調査より。低所得者の女性に肥満と喫煙が多い。野菜の摂取量にも違いがある。経済格差が広がり、低所得層がより多くなると医療費を圧迫するようになるのだろうか。

表題の記事では、肥満を防ぐために甘い飲み物に課税する試みについて紹介している。これはすでにメキシコで行われている政策で、同国では1リットルあたり1ペソの砂糖入り飲料税を徴収する。不健康な習慣に対しては課税が効果的、というわけだが、米国では20本入り一箱1000円となっているのに比べ、日本のたばこはまだまだ安い。一説によれば、たばこによる医療費圧迫などの社会的コストは数兆円にもなる。2兆円のたばこ税収とどちらが国民にとっていいのか、というわけだ。

EurekAlert!
Taxing the dose of calories in sugary drinks could help reduce obesity


Researchers demonstrate the world’s first white lasers
PHYS.ORG
高輝度のLEDは、蛍光灯に代わる一般光源を実現したが、現在、市場に出回っている白色LEDは擬似的な発色だ。光の三原色はRGB、つまりレッド、グリーン、ブルーというわけだが、高輝度のグリーンLEDが実現されていないため、三色を混ぜ合わせた白色は出せていない。今の白色は蛍光灯と同じ原理で、ブルーLEDで蛍光体を発光させているものだ。もちろん、よりエネルギーの必要なレーザーで白色を出すのはさらに難しい。この記事では、米国のアリゾナ州立大学が白色レーザーを実現させたかもしれない、と書いている。ただ問題は、発光時間と安定性だ。

Amateur archaeologists find 560,000 year old human tooth
AME SCIENCE
1968年に福島県いわき市で発見された白亜紀のは虫類フタバスズキリュウの化石は、当時、高校生だった鈴木直氏が見つけたことで有名だ。こうした発見が「素人」によってなされる例は多いが、この記事ではフランスで56万年前の人類の歯を16歳のアマチュアボランティアが見つけた、と紹介している。この年代の人類の化石は少ないため、これはかなり貴重な発見だそうだ。

F1で21年間に渡って死亡事故がなかったのは“奇跡”
F1-Gate.com
フランス人F1ドライバー、ジュール・ビアンキ選手が、7月17日に亡くなった。同選手は、2014年10月5日、鈴鹿サーキットで開催された第15戦日本GPでコースアウトし、クラッシュ。四日市市内の病院へ搬送されて緊急手術が行われ、手術自体は成功し、11月にフランスのニース大学付属病院に転院した。だが、残念なことに容態が急変し、亡くなった。F1レース期間中のドライバーの事故死は、1994年のアイルトン・セナとローランド・ラッツェンバーガーの事例以来21年ぶりだ。

Jimmy Kimmel breaks down over Cecil the lion death
The Telegraph
アフリカのジンバブエで有名だった「セシル」というオスのライオンが、保護区から狩猟区へおびき出され、ハンターに殺されて斬首される、というニュースが話題になっている。歯科医であるこの米国人ハンターは、過去にもいろいろと問題を起こしていた人物のようだ。この記事では米国のテレビキャスターが、この人物を電話で直撃。感情的になった、と報じている。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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