ビットコインの存在意義

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ビットコインの存在意義ってなんでしょうか?

技術的なすごいところもたくさんありますが、多くの人にとって大事なのは、ビットコインが、インターネット的なお金だということです。

インターネットを、みんなが、いいねって思うのは、誰のものでもなくて、いってみると、世界の人のみんなのものだからだとおもいます。

いまのお金、ドルやユーロや日本円など、すべての国のおかねは、法律と、それを守らせるための警察力や軍事力によって、価値をまもってきました。たまに守れなくてパーになってしまう国もありますけども。

国のお金は、軍事力があるからすごいとネットの民は申します。その通りで、アメリカは最強です。アメリカの軍事力やNSAやCIAのちからを持ってすれば、なんでも盗聴できちゃうし、なんでも破壊できちゃうし、逆らうひとはだれでも殺されちゃいます。こわいです。

だから、米ドルはすごくて、あれだけたくさん好き放題の紙を印刷していても、それを受け入れないと脅かされたり、中国や日本だってたくさんの米国債というやつをもっているんだけど、売ろうと思っても、売ることはできません。アメリカ怖いから・・・。

で、「やっぱアメリカすげーわ」「ドル最強、核兵器があるし」「軍事力の後ろ盾がないと」っていうのはわかります。素直に、アメリカすげーって感心するのはいいけれども、冷静に考えてみて、そんな状況を喜んでいていいのでしょうか。

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どこかの政府のお金が世界を支配していて、軍事力の裏付けで流通するものを、世界中のひとが信頼している・・って、なにか私は違和感を感じます。

一方で、ビットコインは、初めて、国が管理しない、お金の可能性を世の中に提示しました。まだ成功するか、しないかはわかりません。でも、いままでなかった可能性を世の中に提示したのです。どれだけ馬鹿にされていようが、その可能性があるだけで、私は、すごい面白いことだとおもいます。

ビットココインは、世界の人のための、世界のお金になれるかもしれない。だから、馬鹿にしている人がどれだけたくさんいても、真剣に取り組んでいる人もいて、どれだけ馬鹿にされようが、真剣にこれをやっています。私もその一人です。

ビットコインは、インターネット・オブ・マネーです。人類史上はじめての、インターネット上のお金です。

インターネットに繋がる世界中の人々によって維持管理される、世界中のひとのための、世界中のひとのマネーです。

ビットコインがそうなったらいいと思います。

世の中には、貨幣が強くない国の人もいます。例えば、アルゼンチンや、アフリカ諸国、北朝鮮のお金だってそうです。みんな国と一蓮托生で、彼らには、自分たちの弱い通貨で生活するしかないのです。日本の円も最近はすこし弱くなっていますよね。でも、ほかに選択肢がありません。

私は、これらの国の人がお金について選択肢がなく、米ドルが最強なのはなんて不公平なんだと思います。

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マッキンゼーによれば[1]、世界中には、アン・バンクトといわれて、銀行口座を持たず、近代的なお金のしくみから除外されてしまっているひとが、24億人にのぼります。世界の人口の53%が、銀行にアクセスできないのです。

インドの人は、世界中で仕事をして、母国のひとに仕送りをしています。その額は、なんと年間で8兆円以上になります。でも、これらの送金は、みんな稼げるお金がすくないので、だいたい一回に1万円くらい。こんな貴重なお金なのに、いまのシステムをつかうと、15%から20%もの手数料をとられてしまうのです。

私達は、インターネットによって、世界の裏側にも、ヒマラヤの山奥にも、情報を届けることができるようになりました。ほとんどゼロのコストで、一瞬でです。でも、価値を移動するには、まだたくさんの手間と手数料がかかっています。今のお金は、世界の人が使うには不便すぎます。

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ヒマラヤの奥に困っている人がいても、そのひとたちにお金を届けることは簡単ではありません。途中でだれかに中抜されるかもしれません。

ブログやツイッターで良いことを発言してもいままではお金を送ることが難しかったです。情報は一瞬で地球の裏まで届くのに、お金は届きません。もし、0.1円や、1円といった単位で、1秒や10秒といった単位で、世界中のひとからお金を受け取ることができれば、たくさんの創造的な人が、もっともっと増えるでしょう。

ビットコインは、こうしたことを変える可能性と力をもっています。私達のためのインターネットのお金です。世界中の人が、すぐに、確実に、安全に価値を交換できれば、世界はもっと創造的で、もっと善意のあふれたものになるでしょう。

新しい可能性は、良いものであれば、いずれ皆にうけいれられ、最後にはその理想は実現するでしょう。私はそう信じています。

[1]http://www.mckinsey.com/insights/financial_services/counting_the_worlds_unbanked