24時間テレビと東京ディズニーランドの共通点と考察

2015年08月20日 04:30
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今週末から24時間テレビがはじまります。数回に渡り24時間テレビに関する投稿をしてきました。賛同、反対を含めて様々な意見がありました。多くの方が社会福祉に関心を寄せて意思を持つことは素晴らしいことです。なお24時間テレビに関する投稿は今回をもって一旦終了する予定です。

●障害者支援の実体
批判的な意見をもつ方の多くは「障害者支援にメディアを利用することの違和感」を感じているのだと思われます。障害者支援をされている方の多くは、使命感をもって取り組んでいます。宮城まり子さんの「ねむの木学園」は代表的な存在でしょう。私財を投げ打ち、タレント活動を休止してまで、社会福祉施設運営にまい進する姿には多くの方が感銘を受けたといわれています。

アメリカの「Labor Day Telethon」は、1966年以降、アメリカ合衆国の労働者の日(Labor Day Telethon)に併せて毎年開催されているチャリティー番組です。俳優ジェリー・ルイスをはじめゲストはノーギャラで1ドルも支払われません。またTelethonをはじめとするチャリティー番組は海外ではノーギャラが原則です。

●欧米と日本の意識の違い
前回も紹介しましたが、アメリカの寄付の特徴として個人寄付の割合が70%以上と高く、個人として寄付行為が浸透している点が挙げられます。1人辺りの年間寄付額を算出すると、アメリカが62,237円に対して、日本が5,431円です。約11倍の開きがあります。

Charities Aid Foundation(CAF)によると、2012年に世界146カ国の15.5万人を対象に寄付やボランティアに関する調査を行った結果、個人の寄付活動について活発な国を順位別でならべると次のとおりになります。1位オーストラリア、2位アイルランド、3位カナダ、4位ニュージーランド、5位アメリカ。日本は85位で先進国のなかでも最低レベルです。

次に、番組を比較してみます。Telethonではスポンサーはつくものの、スポンサー料は全額寄付にまわるためCMが流れることはありません。しかし24時間テレビはスポンサーの広告が流れますので広告収入が発生します。広告収入が発生しますから、ゲストにギャラが支払われることは当然といえます。

では、CMをなくしたらどうなるのでしょうか。CMが流れませんからスポンサーがつきません。スポンサーがつかなければ番組制作費が捻出できません。準備に10ヶ月も費やさずに簡易型のチャリティー番組で良いとの意見もありますが、恐らく視聴率がとれなくなります。24時間どころか数時間の枠の確保すら厳しくなるでしょう。そうなれば番組の維持が極めて困難になります。

これらの状況を踏まえれば、いまの24時間テレビは状況に適合していると考えることができます。海外のチャリティー番組に併せなければいけない理由は存在しません。次に、異なった視点で24時間テレビを分析してみます。

●24時間テレビの戦略
日本人が愛してやまない東京ディズニーランド(以下、TDL)というテーマパークがあります。24時間テレビとTDLとを比較してみます。マーケティングの4Pの視点で考えてみましょう。

<Product>
TDLは子供が主人公の「夢と魔法の国」が商品です。ミッキーマウスやミニーマウスなどのキャラクターがトレードマークです。一方、24時間テレビの主人公は障害者です。日頃はスポットライトが当りにくい障害者を様々な角度からクローズアップすることで視聴者の理解や啓蒙を促進しています。

<Place>
TDLは半径50キロ圏内に3000万人の商圏が存在します。首都圏交通網の中心である東京駅から電車で直通15分、羽田空港からも50分程度です。24時間テレビは主人公である障害者(約500万人)やご家族等の関係者を含めればかなりの人数になります。その大量の母集団が、24時間テレビを媒介することで賛同、反対を含めて何らかの意思を持ちます。意思を持つことで視聴率は高まり最高視聴率は40%を超しています。

<Promotion>
TDLは豊富なキャラクターの存在が効果を促進させています。年間来場者数は両パークを併せて約3100万人です。24時間テレビには番組を盛り上げる応援団として多くの著名人や芸能人がゲスト出演します。著名人や芸能人が出演することで視聴率が高まり、より理解や啓蒙が促進されることになります。

<Price>
TDLは、アトラクションで集客を行い、物販や飲食で半分以上を稼ぎ出しています。24時間テレビは募金によって多額の寄付を集めます。

多くの人々に支持をされるものには必ずその理由が存在します。24時間テレビとTDLには幾つかの共通点が存在するように思います。恐らく、24時間テレビは、今年も平均視聴率が15%以上で最高瞬間視聴率は40%を超すことでしょう。私は、これからの新しいドラマに期待したいと思います。

●尾藤克之
ジャーナリスト/経営コンサルタント。代議士秘書、大手コンサルティング会社、IT系上場企業の役員等を経て現職。著書に『ドロのかぶり方』(マイナビ新書)、『キーパーソンを味方につける技術』(ダイヤモンド社)など。
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