インサイダーだらけの世界

2015年09月04日 11:44

アル・パチーノやラッセル・クロウが出演した映画『インサイダー(The Insider)』(1999年)は、たばこ産業の不正を内部告発によって知ったテレビマンの話だった。インサイダー取引(内部者取引、Insider Trading)は本来は証券業界の言葉だが、今では証券業界に限らず、ある業界内だけで横行するグレーな取引、という意味で広く一般的に使われている。

インサイダーな取引はそこかしこにある。先日、自民党所属だった滋賀県選出の国会議員が新規公開株を「議員枠」で買おうとした、と一部で報じられたが、そんな「枠」だってあるに違いない、とほかの議員が痛くもない腹を探られることになった。「値上がり確実な株」を内部情報で誰よりも先に知り、それによって利益を得た場合はインサイダー取引と言われる。リクルート事件では、リクルートコスモス社の未公開株が政界官界への賄賂として使われた。

不動産業界では「市場に出てきた物件はすでに業界内では誰も手を出さない」と言われる。市場に出てくる前に業界内に情報が出回って取引が行われ、うま味のある物件が市場に出てくることはほとんどない。業界内で良物件をまわしているので、一般人は残り物に手を出さざるを得ない。これも一種のインサイダーな取引と言えるだろう。

業界内だけで利権をまわし、利益を共有させる、という意味では、広告代理店の世界も同じだ。オリンピックのロゴやエンブレムをデザインしたデザイナーがネットで叩かれ、東京オリパラ組織委員会はこのデザインを取り下げて話題になった。この騒動ではいわゆる「ネット民」の嫉妬や恨み辛みなどが背景にある、などと言われているが、審査委員とデザイナーの関係も不透明でネット上には真偽不明の縁戚関係図が出回った。大手広告代理店や出身者のデザイナーだけが「美味しい思いをしている」という気持ちが「ネット民」の間で共有されているのだろう。

すでに日本の社会構造、経済構造はかなりの部分で固定化している。無理矢理に下方へ流動させられているのは労働者だけだ。富者は永遠に富者のままであり貧者は永遠に富者のままである、といったノードリーム状態。若い世代は、自分たちの明るい未来を脳裏に描くことはできない。そうした時代と社会の「澱」のような感情が、インサイダーに対する怨念や怨嗟となってこれからも「オリンピックのようなもの」を攻撃し続けるのだろう。

脳髄にアイスピック
ネットの力というかベルギーの力では?


ColdWarReloaded:US‘Occupiers’IntensifyActivitiesinGermany
SPUTNIK NEWS
第二次世界大戦の敗者であるドイツも、日本と同じように専守防衛しかできない法体制になっている。実際、ドイツの軍隊はNATO軍に編入され、ほとんど在独米軍と一体化している。在独米軍基地も多かったが、旧ソ連の崩壊と冷戦終結で漸減されてきた。しかし、ウクライナ危機など、このところのいわゆる「新冷戦」の勃発で、米軍の撤退が止まりむしろ増強されているらしい。中国は軍人の数を減らすらしいが、これも戦前日本の宇垣軍縮と同じ近代化への過程だろう。ただ、軍人はいかなる削減も嫌うので、習近平主席への軍部からの反発が、戦前の日本のように出てくるかもしれない。この記事では、在独米軍について書いている。依然として日本と同様、ドイツも米軍の「占領下」にある、というわけだ。

Apple admits ‘there’s a lot of work to be done’ when it comes to Apple Music
BGR
日本でもApple Musicのサービスが始まっている。最初の三ヶ月間が無料だが、そのまま放置していると自動的に課金されるようになる。それが嫌な人は、iPhoneなどのApple Musicアカウント画面から自動更新しない設定にしておくべきだ。当方も無料期間は使うつもりだが、レコメンドのメニューはまあいい感じ。仕事中にだらだらと流したりしている。しかし、月額1000円弱というのは、今の使い方だけなら高いと言わざるを得ない。あと半月くらいで最初に使い始めたユーザーが課金期間に入る。その後、どれくらい残るのか興味深い。

Firefox coming to iOS this year, Mozilla says
IT WORLD
iOSにFirefoxが提供されるかも、という記事だが、Mozillaといえば昔のネスケ(Netscapeコミュニケーション)でありMosaicだ。当方が最初に使ったwwwブラウザは、Netscape Navigatorだった。AOLに買収されたが、Firefoxで命脈を保っている。群雄割拠の携帯端末のブラウザも競合が激しいが、その中で生き残っている、むしろ進化している、と記事では書いているが、なかなか達者なものだ。

The Dynamical Origin Of Quantum Mechanics (I)
science 2.0
量子力学(Quantum Mechanics)と聴いても当方はチンプンカンプンだが、この記事では量子力学の起源について紹介している。未だに議論がつきない世界のようだが、我々の身近にも量子力学を応用したものがある。パソコンのメモリーがそうだ。ノーベル物理学賞した江崎玲於奈氏が発見したトンネル効果やエサキダイオードは量子力学のたまもの、と言われている。また、電子の移動制限に関する量子井戸構造は、レーザー光線の技術で応用されている。なんて書いていても実際はチンプンカンプンだ。


アゴラ編集部:石田 雅彦

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