鬼怒川氾濫、太陽光発電の乱開発が影響した可能性

2015年09月11日 01:27

北関東を流れる鬼怒川が9月10日、豪雨で氾濫した。内閣府によれば、10日午後11時時点で、9人が行方不明、住宅多数が流された。被害の全貌は不明だ。行方不明者の安全、被災者の方の休息、そして復旧を祈る。

災害は鬼怒川全流域に広がっている。そのうち堤防を越え水があふれた(越水という)常総市若宮戸地区では、太陽光発電の乱開発が、その一因になった可能性がある。現時点で言えることだけをまとめた。

筆者は太陽光発電による環境破壊を報道し、ルールが未整備であることの問題整備をこれまで訴えてきた。(今年6月記事「太陽光発電の環境破壊を見る(上)-山梨県北杜市から」、「太陽光発電の環境破壊を見る(下)-無策の自治体」など)自分のペンの力の無力さに、悲しさを感じる。

常総市議会議事録(14年5月)(発言159、160番)によれば若宮戸付近あたりではもともと人工の堤防がなく、通称「十一面山」という丘があり堤防の役割を果たしていた。しかしこの丘の頂上で、太陽光発電所が建設され、丘陵部が延長約150メートル、高さ2メートル程度掘削されたという。ただし、ここは民有地で行政が口出しできない状況にあったようだ。

常総市は国土交通省に対策を依頼した。国土交通省は、鬼怒川の補強工事を行っている最中で、この場所を土嚢などで補強していたという。

グーグルアースで見ると、14年3月時点で、常総市の越水の場所付近で、たしかに敷き詰められた太陽光発電パネルが見られる。

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もちろん検証は必要だ。また筆者は、必要ならば、記者として現地に行って取材・報告するつもりだ。ただし、この記事の執筆時点(15年9月11日)とネット上の情報によれば、この太陽光の工事が、鬼怒川氾濫の一因になった可能性はある。

太陽光発電は、過剰な優遇策によるバブル化の問題、そして環境破壊が懸念されている。筆者は太陽光を含めた再生可能エネルギーを振興するべきと、考えている。しかし負担の増大と環境保全、安全ルールの未整備を批判し続けてきた。また一部に公益事業を担う倫理的な資格のない、悪質な事業者が入ってくることを懸念してきた。

「環境にやさしい」という名目で行われた再エネ振興。それが自然を改変し、災害をもたらしたとしたら、エネルギー政策を観察してきた経済ジャーナリストとして、やりきれない思いを抱く。

(追伸)国土交通省が11日午後、常総市の水害箇所の速報地図を発表した(地図)。上流(地図上)の越水した部分が、問題になった若宮戸地区だ。箇所は航空写真と見比べる限り、この太陽光パネルが設置された場所のようだ。この地区が10日昼頃越水し、同日夕方に下流で破堤した。

石井孝明
経済・環境ジャーナリスト
ishii.takaaki1@gmail.com
@ishiitakaaki

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