SEALDsとアイス・バケツ・チャレンジの類似点

2015年09月17日 04:17
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参議院ネット中継でSEALDs奥田愛基氏の発言を聞きました。髪を黒く染めて、スーツを着こなした彼の姿は視聴者にどのように映ったのでしょうか。

この若さで、衆目から注目をされて、堂々と発言することはなかなかできるものではありません。果たしてSEALDsはどこに向かうのでしょうか。過去のケースを交えながら整理してみます。

●アイス・バケツ・チャレンジとの類似点

SEALDsはいま注目されている存在です。最初は新奇性の高さもあり注目されていますがムーブメントを持続させることは大変です。安保法案を廃案にすることは実質困難ですから、法案が可決された後では国会周辺のデモ行進も意味をもたなくなります。これまで数万人が押し寄せたデモもいずれは鎮静化していくことでしょう。

アイス・バケツ・チャレンジもそうでした。アイス・バケツ・チャレンジは、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の研究を支援するため、バケツに入った氷水を頭からかぶるか、またはアメリカALS協会に寄付をする運動として世界的なブームになりました。この活動も、賛否を含めて議論になりました。「ネットの特性とチャリティ活動を結びつけた」ことを評価する一方で、「氷水をかぶることは社会貢献ごっこ」「自らの宣伝や売名のために参加している」という批判も強くありました。

世界的なブームをうけて、米国国務省は、在外の大使や外交官に対して、アイス・バケツ・チャレンジへの全面禁止を通達します。ALS 以外の疾病に対して国として支援を行っていることを挙げ、「どれほど価値のある目的であっても、特定の利益のために公職を利用してはならないという厳格な規則がある」との通達をしたものです(AP通信)。この米国国務省の通達は非常に的を得ていました。その後、事故が多発し本来的な目的を見失ったことから加速度的に廃れていきました。

●SEALDsはどこに向かうのか

かつて、アメリカでベトナム戦争に反対の声をあげた若者にも似たような類似点がありました。「反戦」「反権力」「反政府」などをスローガンにして長髪でベルボトムをはきながら歌う姿は日本の若者にも大きな影響を与えました。新宿駅の構内を学生が埋めつくして、自作のメッセージを歌うフォークシンガーがたくさん出現します。

その後、学生や見物人の数は数千人規模に膨れ上がり活動も激しさを増します。しかし、反社会的集団と見なされる団体が出現したり、経済が安定基調にはいると、豊かさも影響してか学生運動は衰退していきます。

果たして、SEALDsはどこに向かうのでしょうか。今後も、若者の代表として主張を代弁したい(若しくはそのような存在を目指す)のであればデモではなく「代弁者を議会に送り込む」「新しい政党を作る」などの高尚なヴィジョンが必要になると思います。一過性の活動か、永続的な活動か、SEALDsの次の一手に関心が集まっています。

●尾藤克之
ジャーナリスト/経営コンサルタント。代議士秘書、大手コンサルティング会社、IT系上場企業の役員等を経て現職。著書に『ドロのかぶり方』(マイナビ新書)、『キーパーソンを味方につける技術』(ダイヤモンド社)など。
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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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