政治家の日本語力

2015年09月21日 07:22

昨日20日フジテレビ「報道2001」でのやり取り。産経ニュースから

稲田氏(自民党)
「委員長席の混乱だけではなくて、委員の最後列のわが党の大沼瑞穂議員が民主党議員に引き倒されてけがをした。これはまさしく犯罪行為だ。動画で世界中に配信されている。民主主義国家として、法の支配の日本として大変恥ずかしい」
蓮舫氏(民主党)
「その話は泥沼になる」    以上転載

蓮舫さんは「自民党だって同じようなことをしたじゃないか」と言いたいわけだから「泥沼」ではなく「泥仕合」でしょう。

産経ニュースを読んで「政治家の日本語力」と題して以前ブログを書いたことを思い出した。
 
2011年7月23日
先日の海江田大臣の発言 読売オンライン7月21日から一部抜粋

海江田経産相は、菅首相の「脱原発」表明についても、「首相が個人的発言と言っており、それを共有しているかどうかは鴻毛(おおとりの羽毛)より軽いと思う」と述べ、中国の歴史家、司馬遷の書を引用しながら、脱原発を内閣で共有する必要はないとの認識を示した。 以上転載

小生のコメント

「鴻毛より軽し」の代表的な用例を二つ挙げる。

司馬遷
人もとより一死有れども、或いは泰山より重く或いは鴻毛より輕し(報任少卿書)
軍人勅諭
義は山岳より重く、死は鴻毛より軽しと覚悟せよ

このように「鴻毛より軽し」を「死」以外に使うことはまずない。どう考えても海江田さんの喩えは不適切。ここでは単に「共有しているかどうは問題にならない或いは取るに足りない」と言えばいい。
よく知らない言葉は使わないこと。どうしても使いたければよく調べてから使うこと。このことを指摘した新聞記事も見なかったので新聞記者諸君の日本語レベルも海江田さんと五十歩百歩とお見受けする。

2010年12月15日
自民党(当時、現在は国民新党)広報局長荒井広幸さんのコピー
ワレ抵抗勢力トイワレドモ 
赤字部分が間違い。正しくは 言われても(口語)又は 言わるれども(文語)
もう一つ
小泉さんに棹ささなければ国民が流される。 
荒井さんは「棹さす」を抵抗する意味と誤解している。「棹さす」とは時流にのること、抵抗するとはまったく逆の意味。荒井さんは自らの政策ではなく無知を広報しているわけだ。

これに関連して
2009年8月19日
政治家の隠語

政局
倒閣運動のこと。野党幹部が「この問題を政局にするつもりはない」というふうに使う。

慎重
やらないという意味。例えば「農産物の自由化は慎重に扱う」と言った場合やらないという意味。

人心一新
取り立てて内閣改造の理由がない時使う。実際は「人心一新」というより党内操縦と内閣支持率の上昇を目的とすることが多い。佐藤栄作さんがよく使った。先月久しぶりに自民党の中川さんが言っていた。彼が「人心一新」と言ったのは多分「麻生さん、辞めなさい」という意味。

不徳の致すところ
政治家が選挙で落ちた時の決まり文句。「この結果は私の不徳の致すところ」など。内心は後援会や秘書或いはメディアのせいだと思っている。

慎重審議
野党幹部が「この法案は慎重に審議する必要がある」などと言う場合、簡単には国会を通させないという意味。

審議に応じる
これももっぱら野党が使う。本案を通してやるという意味。

強行採決
野党が審議を拒否し、与党が単独で審議し採決することを野党側は自分達の審議拒否は棚に上げて「強行採決」と言って非難する。

青木亮

英語中国語翻訳者

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