人間というこの厄介な生き物について

2015年09月30日 15:39

人間というのは厄介な生き物で、何かインシデントやアクシデントが起きると、それに意味をつけ、パターン認識などへ押し込み、自分なりの「理解」で「腑に落ちない」と尻のあたりがモゾモゾと据わりが悪い気分がする。「自分」という「実体」があやふやで、我々が現実世界と自分との関係について確信を持てないからなのだろうが、現実世界が確固として「論理的」な場合はまだしも、今の日本のように現実世界そのものが非論理的で不安定であやふやで不確かな場合、我々の「自我」は足場を失い、とりとめもなく「仮想空間」を漂い始めてしまう。

一部の人間にとってこの空間は居心地のいいアジールなのだろうが、もちろん現実の世界は単純ではないし、画一的で一方向の視点から眺めていても、その「実体」を把握できるはずもない。目を閉じて象の一部をなでているようなものだ。何かを「理解」するためには速断は禁物で、一呼吸置いてから「感情」を整理し、なるだけ客観的に多方向から眺めてから、おもむろに判断するのがいい。日本人は言葉を覚えたての幼児のように、頭に浮かんだシナプスのつながりをすぐに言葉に出してしまいがちだ。

いつもいつも条件反射や脊髄反射で動いていては、判断を誤ってしまう。現実の世界は単純でもないし、自分が見たいように都合よくできているわけでもない。我々はついつい見たいものばかり見て聞きたいことばかりを聞き、話したいことばかり話してしまう。どんな場合でも現実世界は複雑だし、自分が見たくなく聞きたくもなく話したくもないことだらけであるることを受け入れるべきだし、どんな場合でも現実世界と向き合い、見たり聞いたり話したりする生身の相手が自分の目の前にいることを知らなければならないのだろう。

ビーカイブ
スーザン・ソンタグと解釈の病


TV station uses Holocaust imagery to promote Yom Kippur story
Poynter
ユダヤ教には、9月下旬から10月上旬のある一日を「ヨム・キプール(贖罪の日)」とする宗教的行事がある。ユダヤ教最大の休日とされ、この日は一切の労働、飲食、入浴、化粧などが禁止される。一日だけなので、それほど日常生活に影響は出ないようだ。この記事では、米国シカゴのWGNというテレビ局が、ヨム・キプールを紹介するためにユダヤ人虐殺のホロコーストを利用して謝罪した、と書いている。米国では良くも悪くもユダヤ人が大きな影響力を持っている、というわけだ。

Formula E boss: VW emissions scandal is catalyst towards all-electric future and nail in diesel coffin
INTERNATIONAL BUSINESS TIMES
なんでも規制された数値というのには「裏」がある。行政と企業の「裏取引」や暗黙の了解のようなものだ。その見返りに天下りや利権が役人に与えられるのだろう。自動車の排ガス規制も同じで世界中の基準がダブルスタンダードだ。今回、フォルクスワーゲンがやり玉に挙げられたが、個人的にはFIFAの「利権」に手を突っ込んだのと同じ構図のような気がする。ひょっとすると、トヨタへのイジメやエアバック騒動もそうかもしれない。米国は自分たちの基準にすべてを当てはめようとしつつあるようだ。その圧力は、あらゆるところへ噴出する。EUイジメの序曲なのだろうか。

Tokyo’s National Art Center Sets Issey Miyake Retrospective
WWD
このデザイナー「も」多摩美出身だ。多摩美は武蔵美とライバル関係にあるが、どちらかというと多摩美のほうが俗化されている。武蔵美出身は芸術家肌で多摩美はパフォーマー。だから、五輪エンブレムなんかでも騒動を起こすんだろう。国立新美術館も外連味のある企画が多いようで、ほかの美術館との差別化に悩んでるようだ。しかし、ISSEY MIYAKEって。なにそれ、美味しいの、という感じだ。

The Aquatic, Groupish, Warlike Ape
Confessions of a Supply-Side Liberal
人類の祖先については、化石にミッシングリンクがあり、たとえば直立二足歩行にいたった前後の化石がない。サルからヒトへの過程には、複数の化石人類がいたことがわかっているが、前述した時期以外にもあちこちに欠けたリンクがある。表題の記事では、人類の「水棲」仮説などについて紹介している。我々になぜ体毛がないのか、という理由も水棲の時期が過去にあった、とするとすんなり理解できるらしい。一方で、この仮説はトンデモとする意見も当然ある。ただ、クジラ類の祖先が今のオオカミのような陸棲生物であり、食糧難や生態系の変化などで劇的に身体の仕組みを変えたことがわかっている。ヒトでもそれが起きた、という説は完全にはくつがえされていない。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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