結婚相談というサービスの実態

2015年10月18日 07:00
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日本は少子高齢化が年々進行し「人口の減少」に突入しています。人口の減少は経済全般に負の影響をもたらすと言われています。人口の減少に歯止めをかけるには、様々な因子を検討する必要性がありますが、まずは結婚率をアップさせる施策が必要になります。

●結婚情報サービスという存在

ここで注目されてくるのが結婚情報サービスという業態になります。結婚相談所といったほうが意味としては分かりやすいかも知れません。結婚情報サービスとは、結婚希望者を会員として登録し、会員のデータを元にコンピュータを利用して結婚相手を紹介する業態のことを指します。

しかし、結婚情報サービスはトラブルが多い業種とも言われています。国民生活センターでは特定商取引法の対象としており、役務提供事業者に対して、書面交付義務、不適切な勧誘行為の禁止、クーリングオフ、中途解約時における損害賠償額の制限等の規制が適用されています。

国民生活センター報道発表資料(2010,11,11)によれば、全国の消費生活センターに寄せられた相談は、2005年度からの5年間で16,663件寄せられており、2007年度以降は、毎年相談件数が増加しているとされています。

まず、特定商取引法を遵守する義務がありますから、クーリングオフ、中途解約、退会については遵守しなくてはいけません。「成婚率90%」「会員は上場企業の管理職が8割」などの広告を流している業者も要注意です。人と人との出会いをマッチングさせるデリケートなサービスを取り扱っていますから、成婚率90%などと表示することに意味がありません。

●なにを判断基準とすべきか

結婚相談所がうたっている成婚率という基準があります。これは何をもって成婚率といっているかご存知でしょうか。「成婚数÷会員数=成婚率」ではありません。「(成婚数+退会者)÷会員数=成婚率」としているのが一般的です。退会者を成婚者と見なしている場合があるので、相談所の発表している数字が、本来の成婚率と異なることを知らなければいけません。また、適切なサービスを提供することで成婚率がUPする性質のものではありませんから、公表されている数字は意味をもちません。

証券会社や投資会社が「儲かります」と言えないことと同じで、結婚情報サービスも「絶対、結婚できます」とはいえません。入会者は結婚できる可能性に対して対価を払いますから、成果が芳しくなかったり不快な出来事があればトラブルは増えてきます。また、お客様の立場からすれば、会員の属性を出されても根拠を確認する手段がありません。

それでは、良い業者を選定する基準はなにか?それは会員の平均登録月数とアクティブ会員の数になります。結婚情報サービスに登録する会員の平均登録月数は6~7ヶ月程度が標準と思われます。短期集中型で活動をする方が多いのでそれほど長くはありません。また会員数ではなくアクティブ会員の比率も重要です。アクティブ会員が多いほうがマッチングの可能性が高まるからです。

●業界の取組み

参入している企業のなかでも大手に区分される企業は、顧客の信頼性を高めるために、多くの施策を講じています。提供するサービスの信頼性を審査して認証するための専門機関を立ち上げたり、独自の自主規制基準を制定している団体も少なくありません。

会員のマッチングには、婚活カウンセラーの役割が重要になります。効果的なマッチングを実現するには、結婚に関する専門的な知識・スキルが必要とされ、高レベルのコミュニケーション能力が不可欠だからです。単なる相手探しではなく、会員の人生設計、キャリアプランに応じられる豊富な知識やノウハウを提供するため、カウンセラーに求められる能力は高まっています。

晩婚化は、少子化の要因のひとつになっています。このような環境下で、結婚情報サービスに期待されている役割は大きいと思われます。かつて人材紹介ビジネスが人材流動化と職業選択の自由を促したように、結婚情報サービスに求められる役割に期待したいと思います。

尾藤克之 
経営コンサルタント

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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