赤の他人が美味しい情報に有りつけるほど甘くない

2015年10月27日 12:08
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三井不動産グループが販売した大型マンションの傾斜問題が波紋を広げています。大手デベロッパーならではのマンション建て直し案には驚きましたが、いずれにしても早期の情報提供と真相究明が必要でしょう。

今回の事件が不動産市況に何らかの影響を与える懸念がありますが、いまだに市況は活発なのか不動産投資関連の連絡がかかってきます。「○○地区に美味しい物件があります。大手不動産がバックについているので安心です!」「当社なら固定資産税評価額で購入します」等など。

●美味しい投資話には要注意

電話の相手は大抵同じ顔ぶれです。「面倒だから個人情報を削除して。もうかけないように!」と伝えても、数日経てば違う担当者からかかってきます。平成23年に宅建業法規則が改正されて、勧誘を希望しない意思を表明したら、継続勧誘は禁止ですが(第16条12)、あまり守られているようには思えません。

私は、この類の投資話には慎重です。もし確実に儲かる物件があった場合、それが一般に出回ることは理論的にあり得ないからです。見ず知らずの第三者が美味しい情報に有りつけるほど甘くはありません。

不動産投資は様々な情報が飛び交っていますが、不動産投資とは資産運用のための投資です。適正価格で購入し綿密なシミュレーションをすることでリスクを減らしながら中長期的に安定収入を得ることが本来の目的だと考えています。資産を増やす施策として不動産投資に飛びつくことは実はリスキーです。不動産投資は比較的リスクが少ない投資といわれていますが実際はどうなのでしょうか。

●不動産投資はリスクが低いのか

不動産投資ときくと、キャピタルゲインの資産価格の上昇により利益を獲得することをイメージしている人が多いと思います。ところが短期でキャピタルゲインを獲得できる物件など滅多にありません。むしろ、キャピタルロスをしない物件を購入して管理運用していく視点が大切です。

景気の影響を受けやすいので、景気の将来的な予測もしながら先読みをしなくてはいけません。オリンピック効果もあり湾岸エリアは建設ラッシュです。ですが大きな懸念材料もあります。まず供給過剰になった場合です。供給が過剰になれば売れ残る物件が発生します。売れ残った物件が投げ売りされたら、価格の下落を引き起こします。

不動産投資はシミュレーションが大切です。会社経営であれば、短期的に利益を獲得するような事業計画は立てないものですが不動産投資に関心を持たれる方の多くは短期的視野になりがちです。利益の考え方ですが、不動産価格+諸経費から、月額の支払い額を算出して、月額家賃が上回っていれば、毎月の利益が発生すると考えている人が多いですが実は落とし穴があります。

毎年の固定資産税や保険など別途掛かる費用があります。退去すれば修繕費がかかり、内装の修繕、エアコンの修理、テレビの映りが悪くなれば新たな工事が必要になります。実は所有しているだけで様々な費用が掛かるのが不動産です。

更新の空室想定率や、将来地価を予想した家賃シミュレーションも必要です。特に地価下落が大きい地域では下落を想定した家賃下落のシミュレーションも必要です。そして想定される費用を算出したうえで、購入したい物件に条件を当てはめなくてはいけません。まずは眼力を上げる必要性がありそうです。

尾藤克之
経営コンサルタント

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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