弾丸帰国とロシアも航空券もバカヤロー、みたいな顛末記

2015年11月01日 16:15

「弾丸」という形容が当てはまるかどうか知らないが、仕事で突然帰国。伊日の往復時間を差っぴくと日本滞在はおよそ3日半ほど。急ぎ旅のせいもあって今回は幾つものおどろきの体験をした。

一つは常宿にしている渋谷のホテルにまったく空きが無かったこと。中国人を中心とするアジア人観光客で満杯なのだという。その大きなホテルではこれまでも満室ということはあった。しかし、仕事で長年使っていることもあって、必ずなんとかしてくれた。

それが今回に限ってはまったく無理だった。聞くと、東京では観光客の増加で全体的に宿泊客室の足りない状況が続いているとのこと。どこかで耳にしていた情報を追認された形で納得。が、そんな体たらくでは観光立国どころか、5年後のオリンピックもおぼつかないのではないか、と大きな疑問も抱く。

10月28日、イタリア戻りの日。成田空港のアリタリア搭乗受け付けカウンターでチェックインの際、航空券の日付がなんと1ヶ月後の11月28日になっている、つまり今日の予約は入っていないと判明。パニックに。

慌しさのあまり、10月が11月になっているのに気づかなった。それは僕のミスだが、発券した旅行代理店の大いなるミスでもある。単なるミスでは済まされないほどの大失態だろう。

しかし航空券を購入したイタリアの旅行代理店に連絡をしたくても、向こうは午前3~4時頃なので無理。困ったことにその日はミラノ便がない。なので、連絡がついてもコマッタ状況は変わらなかったが。。。

すったもんだの末、なんとかローマ便に押し込んでもらう。ミラノへ直行のはずが、成田→ローマ→ミラノの長旅に。疲れるぜ・・と思った。すると、もっと疲れることが待ち受けていた。

ローマ行きのアリタリア便にシベリア上空(ロシア上空)を通過する許可が下りず、同便はロシアの南を通って欧州に至るルートを飛ぶことに。出発直前での決定である。

日本と欧州間の飛行ルートは、これまでにほぼ丸1日もかけて飛ぶ南回り、旧ソ連上空を避けた北極圏ルート、さらにアラスカ経由ルートなどがあった。

その後、ソ連が崩壊してシベリア横断ルートが開拓された。ロシアは、各国の航空機がシベリア上空を飛んでも自国の軍事的な脅威にはならない、と判断したのだ。

現在では日本と欧州を結ぶ航空便のルートは、最短距離であるシベリア上空をえんえんと飛ぶ形が主流になっている。今回はそのルートが取れなくなったのだ!

イタリアを含む欧州とロシアは、今なにかといがみ合っているから、少しの手違いで許可の降りるのが遅れたのだろうか。それとも軍事がらみの事情が原因か。

あるいはロシアのプーチン大統領が、彼の悪事トモダチであるベルルスコーニ元首相を敵視するイタリア現政権への嫌がらせのつもりで、飛行許可を見送ったのか?などと考えを巡らせる。

しかし、そんなジョークまじりの自分の気持ちは、飛行時間がなんと15時間にも及ぶと知って萎(な)える。通常の欧州便は成田から新潟上空を経てハバロフスク、その後シベリアを横断して飛ぶ。

その場合のミラノまでの所要時間は11時間から長くても12時間。15時間は疲れる長旅がさらに長くなるということだ。しかもその後にローマで乗り換えて、再びミラノまで飛ばなければならない。

うんざりした。が、これも貴重な体験だ、と思い直して飛行データを映し出すモニターに目を凝らした。僕は空の旅では離陸から着陸まで刻々と変わる飛行データを見るのがいつも好きだ。

定刻から30分遅れで成田を飛び立ったアリタリア0785便は、日本上空を南下して九州から韓国をかすめて北京方向へ。15時間分もの燃料を積んでいるせいか、重くて速度も遅い感じ。

北京近くを通って、普通の地図で見る西方向へ真っ直ぐに飛び、中国を抜けてカスピ海へ。そこを横切って今度は黒海へ! 不思議な航程。新鮮な気分。モニターから目が離せない。

大雑把な画面地図上には、北にモスクワ、またニジニ・ノヴゴロドという殺風景な名前に変更された「ゴーリキー」市の表示。南にはテヘランやバグダッドの表示も。

テルアビブの文字まで見えた。そこでちょうど同席していたイスラエル人夫婦に「ローマなんかに回らずにこのあたりでパラシュートで降りたほうが楽ですね」と語りかけると大笑いしていた。

詳細が分かる拡大地図で見ると、イスタンブールのすぐ上をかすめて飛んで、やや北上しながらバルカン半島を横切ってローマへ、というのが正確なルートらしいと理解できる。

途中にはロシアのソチやクリミア半島なども見えて、少し心が波立つ。オランダ発のマレーシア航空機が、その近くでロシア軍関連と見られるミサイルで撃墜されたのはつい最近のことだ。

飛行機はそのあたりで少し加速を始めた。向かい風が弱まったのと、燃料を多く消費して機体が軽くなったのが原因だろう、と勝手に想像する。が、あるいはパイロットも、ふとミサイル撃墜を思い出してアクセルを強く踏み込んだのかも。

幸い何事もなくアドリア海上空を横切ってローマ着。だがシベリア横断ルート時間に合わせて予約されていたミラノへの乗り継ぎ便は既になく、1時間遅れの便に乗る。

あいにく北部イタリアは悪天候に見舞われていて、ミラノ着陸時の飛行機は大揺れに揺れた。無事に着陸。結局わが家に着いたのは午前2時過ぎ。その3日前までの夏時間なら午前3時過ぎ。やれやれ・・・

仲宗根雅則
テレビ屋
イタリア在住

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