海外に弱い日本人選手が内弁慶を克服するには(中) --- 天野 貴昭

2015年11月12日 06:50

前回の続きです

「薩摩隼人に二の太刀いらず」は国際スポーツに合致しずらい


前回も記しましたが、現代日本の武士道感を考える時、薩摩地方に伝わる武術哲学を知る事は大切だと思っています。

「薩摩隼人に二の太刀いらず」の通称通り、薩摩地方の剣術の特徴はとにかく初太刀(先制攻撃)に全意識を集中させる事でしょう。

倒幕派のライバル、新撰組局長近藤勇が見回り隊員に通知した 「薩摩の初太刀は(恥も外聞もなく)かわせ」はとても有名です。また(ウソかホントか)薩摩武士は初太刀をかわされるとその場で切腹する…という伝説があるくらい超攻撃的だった様です。

※「薩摩隼人」的スピリットは国際試合に不向き!?
(画像;Wikipedia、アゴラ編集部)

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刃物での戦闘は先に攻撃を受けた対象がそのまま戦闘不能に陥る可能性が極めて高い為、予め攻撃を受ける前提で迎え撃つ「捨て身技」はありますが、受傷した後に反撃勝利する「逆転勝ち」の可能性は極めて低いので、果たし合いなどの様な局面戦闘では先制攻撃に特化した薩摩武士の哲学感・戦術感は極めて合理的であると思います。

しかし、スポーツ、特にボールゲームでは逆転勝ちがままみられます。…というかそもそも多くのスポーツは逆転勝ちが発生しやすいようにわざわざ策定されています。(アメリカンスポーツは特にそうです)

だから、薩摩隼人的なサムライの心で国際試合に挑むと、開始直後にスパートをかける事はできても中盤以降反撃を受けると弱いのではないでしょうか? 戦争で反撃を受けたら死んでいる訳ですから、反撃後の対応という概念がそもそもないのかと思われます。

従って「日本選手は終盤に逆転される」「まるで根性がない」という揶揄については、「それは根性がない訳でなく「潔く散るサムライの心で試合に挑んでいるからだ」と、僕は解釈しています。

あるプログラファーの母親の言動を見て…


かつて、ある日本屈指の若手ゴルファーを観戦した事があります。残念ながら順位は不本意でしたが(世界大会でも見ない様な)ちょっと信じられない様なリカバリーを成功させたりと集中力の高い見事なプレーを見せてくれました。

試合終了後「さすがは○○だ」と観衆が褒め称える中、真っ青な顔をしながら「負けた試合なぞつまらん」と足早に去っていく女性がいました。『雑誌か何かで見た人だな?』と思い返してみたら、そのプロゴルファーのお母様で、そしてその選手の出身は熊本県、かつての薩摩藩でした。

僕の実家も九州ですので「負け試合など面白くもないから、無様にもがいてないでさっさと負けて帰ってこい」と言う親戚は少なからずいます、だからお母様を見ても「さすがは九州の女性だ」と眺めていたのが正直な感想でしたし、何よりプロなんだから勝ってなんぼだとは思います。

ただ、相当な好試合を近親者が「つまらん(怒)」とか言ってしまうと、頭一つ出ている国内戦ならば勝てるかもしれませんが、猛者ひしめく世界戦で勝ち上がるのはむしろ厳しい様にも思えてしまうのです。

皆さんはどう考えますか?
(続く)

天野貴昭
トータルトレーニング&コンディショニングラボ/エアグランド代表

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