海外に弱い日本人選手が内弁慶を克服するには(下) --- 天野 貴昭

2015年11月13日 06:50

前回の続きです

※国際試合に強いアスリートをどう育成するか。スポーツ以外の要素も重要だ
goroumaru
柳生流の極意は「あきらめる事」


薩摩隼人的な武士道の他にもうひとつ挙げたいのが、徳川幕府での御家流・柳生新陰流の哲学感です。

新陰流の理念は「勝ちを捨て、敵と融和することで勝ちを得る」・「真剣勝負中に『少し切られてやろうか?』と思えるくらいの寛大さがなくてなんとする」…などと、ほぼ無理ゲーというか禅問答※みたいな事を主張する流派であります。

ただ、この「無理ゲー」にスポーツの究極的な目標があるのかもしれないという予感はしています。サッカー界の伝説P.マルディーニの言葉に「対戦相手は敵ではない。同じピッチの上で戦う仲間だ」というのがありますが、これと新陰流の極意は似た事を訴えている気はしています。

でも無理ゲーは無理ゲーです。僕には無理です.笑

(※新陰流と禅の関係はとても密接です。徳川家光の剣の師、柳生宗矩は家光が剣の極意を会得した事を見て取ると、その後は禅の修行をする事を勧めています。)

現代社会の武士道とはちょっと違う様な気もしたのですが、この新陰流的な武士道もまま見られる様にも思えたので、併せて記してみました。

武士道精神よりも合理的な商人道を


この様に、「武士道・サムライの心」といっても様々な概念が存在します。ではこれまで海外で活躍し続けているアスリートはどの様な心意気で臨んで来たのでしょうか?

僕が注目しているのは、野球で海外進出が成功した選手(国内より高い年俸を得た選手)とサッカー日本代表の主力選手の育成地域が近畿圏に多い点です。勿論、他地域からも優秀な選手は輩出はされてはいます、でもこと「海外・代表」に絞って見ると同地域からの輩出はかなり多い様に思えます。

※ちなみに、この話をするとダルビッシュ投手・田中将大投手を挙げられる方が良くいますが、彼らの育ちは大阪・兵庫です、又ACミランの本田選手も中学校までは大阪です。

(これは全くの私見なのですが)近畿圏には野球のメッカ甲子園だけではなく、「侍」という精神性を尊ぶ哲学感より「商人」という合理性を尊ぶ哲学感が強く存在し、それが海外成功の鍵になっているのではないでしょうか?

だから、例えばサッカー日本代表の通称もこれまでの「サムライブルー」から「アキンド(商人)ブルー」に変え、スローガンも「サムライスピリッツ」から「ナニワのド根性」にしてみた方が、より強くなると思うのです…が? (これ、結構本気です)

皆さんはどう考えますか?

天野貴昭
トータルトレーニング&コンディショニングラボ/エアグランド代表

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