心地よいバイアスは、あなたの評価を高める

2015年12月17日 07:30
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先日、著者仲間や編集者の集まる忘年会に参加してきました。そのなかには、著名な政治関係者も出席しており非常に有意義な時間を過ごすことができました。その政治関係者は元議員秘書で政治談議で盛り上がりました。興味深い話もあったので一部を紹介したいと思います。

●議員秘書の採用基準

議員秘書は議員の直接採用がほとんどです。つまり議員が気に入らなければ採用はされません。この際の採用要件は、議員の物差しが基準ですから一般の採用試験とは全く異なります。まずは「信頼できそう」という人物評価を得なくてはいけません。

また秘書が一般のビジネスマンと比較して優れた能力があるとすると、それは次の2点に集約されると思います。1つは人に対する影響力です。人に対する影響力とは個人がほかの人に対する影響に対する根本的な関心を反映して形成されていくものです。言い換えると、自分だけの地位、名誉、利益のみを追求して人に対する影響力を与えることは困難だということです。

さらに、社会的・組織的に利益をもたらすものでなくてはなりません。組織内での血で血を洗う競争や、組織全体の利益を損なう形で個人の利益を追求するために影響力を行使するような行為は、マイナス行為にしかなりません。

もう1つは行動を起すのが早いことです。議員が困らないように、または更に成功してもらうために求められる前に行動します。その結果、成果を向上させたり、問題を回避したり、新しい機会を見つけたり生み出したりすることができるのです。議員秘書のなかでも優秀と言われる人は、法案の行方をみながら将来の問題や機会を予測することに長けています。

当然ながら多くの情報を仕入れるなど洞察力も必要とされますが、具体的な機会や問題を予測し準備することを怠りません。先を読むために、人に対する影響力が高くなったとも考えられますし、人に対しての影響力を行使しながら、先を読んでいるともいえます。
 
会社に所属している社員が常日頃から、人に対する影響力が行使できるのであれば、それは間違いなく出世ルートの早道ではないかと思われます。人に対しての影響力ですから、上司や経営陣にも影響力が与えられるからです。

●心地よいバイアスをかける

他者への影響力を高めるためには何が必要でしょうか。素晴らしいビジョンがあり、それを実現するために綿密な戦略を構築してもなかなか伝わらないものです。伝わらなければノーヴァリューですから響くことはありません。

響かないということは、メッセージが伝わらないことを意味します。政治家は日々、ビジョンを発信しています。ビジョンが無ければ有権者の支持が得られませんから当選はできません。ビジョンを発信して人に影響力を与えることができれば、自分の評価はどんどんと高まっていくに違いありません。

人が人を評価する際、そこには必ずバイアスが存在します。例えば「彼は東大を卒業している」という事実があると、「彼は優秀に違いない」と評価をしてしまうものです。採用時に「一流企業から内定をもらっている」ことを理由に、「彼は優秀だから採用しよう」と評価をしてしまうこともよくあります。

このようなバイアスは好ましくないことだとされ、評価の際の基準のすり合わせをしたり、採用の面接官の基準のすり合わせをして改善の取り組みをするものの、人には好き嫌いといった感情的な側面が交錯することが避けらません。

結局、バイアスが掛からない情報はないわけですから、掲げたビジョンが建前であったとしても、それが心地よいものであれば、受け手にバイアスがかかるということです。せっかくならよいバイアスがかかったほうが得策です。バイアスがかかった心地よい情報を伝えることができれば、評価を高めることも容易なはずです。

尾藤克之
経営コンサルタント

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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